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観衆沸かせた鹿島内定の“高速ドリブラー”静岡学園MF松村、初戦不発も「焦りはない」

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相手の厳しいマークをかいくぐる静岡学園MF松村優太(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.31 選手権1回戦 静岡学園高 6-0 岡山学芸館高 駒沢]

 まだまだエンジンはかかっていないのかもしれない。それでも、そのスピードとドリブルで何度も観衆を沸かせた。立ち上がりから相手の厳しいマークに遭った静岡学園高のMF松村優太(3年、鹿島内定)。前半は見せ場も少なかったが、後半11分に右サイドの仕掛けからチームの4点目を演出すると、同22分にはスピードに乗ったドリブルからクロスバー直撃のミドルシュートを放った。

「(対戦相手に警戒、対策されているのは)感じたし、それに引っかかってしまった。自分でやることも大事だけど、(マークが)僕のほうに偏ってくれば、逆サイドや真ん中からも点を取れる。味方を生かすプレーも大事」

 前半は中に絞って受けようとする意識が強く、相手の網にかかった。後半はワイドに開いてパスをもらえるようにポジショニングを修正。チームは後半だけで14本のシュートを放ち、4得点。チームとして大量6得点のゴールラッシュを見せ、「いい内容で、いい得点の形もあった。それは次につながる」と手応えを口にした。

 周囲の注目度も高い背番号10について川口修監督は「松村はハマったときは点を取る。どうしても自分が決めなきゃという意識が強くて、今日は自分が、自分がというプレーも多かったが、そこは改善できる。彼は試合をこなしながら上げていくタイプ。これからを楽しみにしてほしい」と絶大な信頼を寄せる。

 初戦を終えた松村自身、至って冷静だ。「県予選も最初は点を取ってなかったけど、準決勝、決勝で取った。そんなに焦りはない」。静岡県予選準決勝の浜松開誠館戦(○2-0)ではチームを勝利に導く2ゴールを決め、決勝の富士市立戦(○6-1)では開始18秒の先制点でゴールラッシュの口火を切った。尻上がりに調子を上げていく静学のエース。50m走5秒8の“高速ドリブラー”の本領発揮はこれからだ。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

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