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創部55年目の初出場校・専修大北上が“冬”も初勝利!! 風を味方に前半3発で龍谷撃破

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初出場校・専修大北上が選手権初勝利(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.31 選手権1回戦 専修大北上3-1龍谷 NACK]

 第98回全国高校サッカー選手権は31日、NACK5スタジアム大宮で2回戦を行い、専修大北上高(岩手)が龍谷高(佐賀)を3-1で勝利した。専修大北上が前半3発と大暴れ。創部55年目の選手権初出場で初勝利を挙げた。来年1月2日の2回戦は國學院久我山高(東京B)と対戦する。

 1964年の創部以来、同校史上初となる選手権の舞台に立った。専修大北上はポゼッションを高めて鮮やかにパスをつなぎ、攻撃のリズムをつくる。4-4-2のミラーゲームは2年連続2度目の出場となった龍谷が立ち上がりのビッグチャンスを逸すると、前半風上に立った専修大北上の攻撃力が爆発した。

 まずは16分、相手のロングボールに競り勝ったDF吉田陽輝(3年)が頭で落とすと、FW岡本崇凱(3年)が右サイドから鋭くカットイン。パスを受けたMF菊地竜空(3年)はターンして相手を剥がすと、左45度の位置から鋭い右足シュートでニアをぶち破った。

 先制に成功した専修大北上は前半21分、GK高橋諒朋(3年)がFKを蹴り込むと、背後に抜け出したMF阿部耀仁(2年)が相手DFとGKの連携ミスを突く。一瞬の加速から体を入れてボールを奪った阿部耀が左足で無人のゴールに突き刺した。

 追い風を味方に、積極的にミドルシュートを狙う専修大北上。迎えた前半30分、2点目を挙げた阿部耀が今度はゴラッソを叩き込んだ。ドリブルで中央を持ち上がると、GKの位置を確認し、約30mの位置から右足を一閃。低い弾道の無回転ミドルは風に乗って伸び、GKの手を弾いてゴールマウスに吸い込まれた。

 3点を追う龍谷は風上に立った後半反撃に出ると、右サイドからMF大石遼馬(2年)が入れたクロスをMF鵜木亮良(3年)が狙ったが、GK高橋がファインセーブ。それでも後半27分、大石が斜めにスルーパスを出すと、抜け出したMF石橋啓士(2年)が左足でゴール右隅に沈めた。2年生コンビのホットラインで一矢報いたが、龍谷の反撃はここまでだった。

 専修大北上は後半開始から投入されたFW千田舜(3年)が両チーム最多となる3本の決定的なシュートを浴びせた。小原昭弘監督は「後半は風下に立って受けに回ってしまった」と振り返りつつ、「非常に躍動して思い切ったプレーができた」と選手たちを称えた。3-1で逃げ切った専修大北上は夏の総体に続く大会初勝利となり、同校に新たな歴史を刻んだ。小原監督は夏、冬に初出場した全国大会でいずれも勝利を挙げ、就任20年の節目を飾った。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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