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2年ぶり出場の高川学園、北海のプラン崩すセットプレーで接戦を制す!

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MF内田裕也(3年)のゴールが決勝点に

[12.31 選手権1回戦 北海0-1高川学園 等々力]

 2年ぶり25回目の出場となった高川学園高(山口)が11年ぶり10回目出場の北海高(北海道)との接戦を制した。高川学園は1月2日に同じ等々力陸上競技場で仙台育英高(宮城)と2回戦を戦う。

 両チームとも集中力が高く、ボールを持つ猶予もスペースも限られた中での戦いになった。また第2試合から強くなった風も試合を左右する要因になりえた。

 初戦だけに慎重な試合になることは少なくない。高川学園の江本孝監督もそんな印象だったという。「選手権初戦というところで試合全体が堅い。こっちのリズムが作れなかったというのが正直なところです」。前半、風上に立っていたのは高川学園。その前半をスコアレスで終わらせたことは、高さに自信を持っていた北海の島谷制勝監督にとって、ある意味プラン通りだったかもしれない。

 しかし後半9分、先制したのは高川学園だった。「GKを越すことだけを考えて。誰かが裏に来てくれることを信じて蹴った」という左CK、MF眞田颯太(3年)からのボール。これに主将のMF内田裕也(3年)がファーサイドから走り込み右足で合わせて先制ゴールを挙げた。

「やはり先制されると試合が難しくなる。しかも、高さもあるうちの方が上手くやるべきセットプレーでやられてしまった。これでゲームプランが難しくなった。後半立ち上がりはよく押せていたので、余計リズムが狂ってしまいました」と北海の島谷監督は唇を噛む。

 失点直後には同点機が訪れるが、FW寒河江健人(2年)のシュートは、ぎりぎりポストに阻まれてしまう。その後も北海は攻勢を強めようとするが、「ゴールへの意識が低く、形、形になり、シュートが少なくなった」(島谷監督)というように後半のシュート数は相手の5本に対し2本。風上のアドバンテージを活用したのは終盤のパワープレーだけだった。

 対する高川学園も会心の勝利とはいえなかったようだ。「ラスト10~15分、粘り強く戦ったことは評価できます。でも先制のCKもあまりやっていない形でたまたま。相手はパワーがあって思った以上にボールを動かされていました。前半はどういうプレスをしたらいいか迷いましたし、正直PK方式狙いでした」(江本監督)。

 それでも勝敗を分けたものは何だったのか。北海の島谷監督が何度も言っていた言葉が印象的だった。
「高川学園さんには積み重ねてきたものがあった。自分たちも積み重ねていかないと」。

 意図した形ではないにしてもゴールとなるか。数センチの差でゴールとなるか。この試合、そんな僅差でゴールできたのが高川学園であり、ゴールできなかったのが北海だった。それを「運」の一言で終わらせず「積み重ね」という理由に落とし込んだ島谷監督。この経験は、当事者でしか理解しえない大きな糧となったに違いない。

 そして苦しみながらも2回戦へ進んだ高川学園。この試合の反省を活かし、さらなる力を発揮できる機会をものにできるかに注目だ。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

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