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名称変更後初の選手権で松本国際が初戦突破、和歌山工は3度目の正直ならず…

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松本国際の9番、小林丈太郎が決勝点を挙げた(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.31 選手権1回戦 松本国際高1-0和歌山工高 フクアリ]

 選手権3回戦進出の実績もある創造学園高から、18年4月に名称を変更した松本国際高(長野)。現校名となってからは、初の選手権で勝利をつかんだ。

 旧校名での最後の選手権出場は3年前。現在の選手たちにとっては初めての舞台となったが、固さは「まったくない」と勝沢勝監督は感じていた。推進力で勝る松本国際は、前半から敵陣に攻め入る回数を増やしていく。しかし、3バックとウイングバックが壁をつくる和歌山工高(和歌山)を攻略できず、「中ばかりいきすぎてしまった」と指揮官は反省。ミドルレンジから狙うも、ゴールは遠かった。

 それでも「左サイドはいいカタチで突破できていた」と前半を見ていた勝沢監督は、「中の入り方が甘かったので、もう少しニアに犠牲になって飛び込めと言いました。そうすると相手が空くから」と指示。「攻めていて、テンポよく回せるんだけど点が取れないときに、イライラ感とか焦りがあるような気がしたので、やり続けろと。やり続けた結果として、必ず一瞬のチャンスはできてくるから」とハーフタイムに激を飛ばした。

 すると後半18分、左サイドバック瀧澤大輔(3年)のクロスをFW小林丈太郎(3年)が左足で合わせ、均衡は破れた。

 1点ビハインドとなった和歌山工は、MF武山遼太郎(3年)のドリブル突破が光ったが、パスの部分でミスが目立ちフィニッシュまで遠い。途中出場のFW森愛翔(2年)が流れを変えかけるも、ゴールまで結びつけることはできなかった。試合後、和歌山工の大宅光監督は「点を取るというところをもっと研ぎ澄ませていかないと」と同校としては30年ぶりの選手権を回想。過去3大会で2敗している長野県勢の壁をまたしても越えることができず、選手権初勝利は持ち越された。

 和歌山工の1トップに入ったFW田中彪(3年)主将は、「自分たちのプレーはできていたほう」「楽しかった」と表情に曇りはなく、「負けたけど、ここまでこれたので悔いはないです」と前を向いた。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

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