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ここまでトップタイの5ゴール! 静岡学園FW岩本悠輝は「自信を持って言える」得点王へ

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静岡学園高FW岩本悠輝(3年)

 日本一と得点王の二冠に王手をかけた。静岡学園高FW岩本悠輝(3年)は今大会、得点ランキングトップタイの5得点を記録。控え選手の立場から一躍選手権のヒーローになろうとしている背番号12は、青森山田高との決勝に向けて「ここを目指して練習してきた」とワクワクした様子で語った。

 夏に右脚の腓骨を骨折し、秋には左足首の靭帯を損傷。今季の大部分を怪我で棒に振ったストライカーが最後の夢舞台で華々しい結果を残している。1回戦の岡山学芸館高戦(○6-0)で大会初ゴールを挙げると、2回戦の丸岡高戦(○2-0)でも連発。さらに準々決勝の徳島市立戦(○4-0)ではハットトリックを記録するなど、同校にとって24年ぶりの決勝進出に大きく貢献してきた。

 もっともその岩本、静岡県予選まではレギュラーの立場ではなかった。今季のエースは予選決勝でも2得点を決めていたFW加納大(2年)。「予選の時は怪我の状態も悪くなかったので、それが自分の実力」。試合に出られないという悔しさはありつつも、前線でボールを収める働きができる後輩の能力は素直に認めていた。

 ところが大会前、加納が左膝に炎症を抱えていたことで、本大会では岩本に出番が回ってきた。「まずは守備でしっかり走って、そこから1点を狙う」。そんな心持ちで先発を続け、気付けば5得点の量産態勢。「諦めずに頑張ってシュート練習をしてきたので自信はあった。そういうのが出た」とひたむきに続けてきた努力が実った。

 そうして迎える青森山田とのファイナル。初めての全国大会という岩本にとっては、チームメートとともにスタンド観戦していた前々回大会以来の決勝となる。「人がいっぱいいてすごいなと思った」。今度はピッチでプレーする立場。「高校ではここを目指して練習してきた」という夢の舞台に立つ。

 相手は「高校年代のラスボスみたいな存在。みんな能力が高いし、パワーもスピードもトップレベル」とみなす絶対王者だ。それでも16得点0失点という驚異的な戦績で5試合を勝ち抜いてきた自信を胸に「負けるイメージはない」ときっぱり。決定機を量産した帝京長岡の戦いぶりにも刺激を受け、「足元の局面で勝負できたら」と勝機を見据える。

 そのうえで自らの評価も高めるつもりだ。「マツ(MF松村優太)とか(MF小山)尚紀が有名になっていってるので、自分もいろんな人にもっと注目されたい。準決勝、決勝で点を取らないと得点王になったと自信を持って言えない。最後に取れる選手が得点王だと自信を持って言える」。同点首位のまま得点王になるつもりはない。最後は自らのゴールで日本一をもたらす。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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