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半年でJ3→海外の階段を駆け上ったMF食野亮太郎「6か月あれば成長できる」

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U-23日本代表MF食野亮太郎(ハーツ)

[1.15 AFC U-23選手権GL第3節 U-23日本代表 1-1 U-23カタール代表]

 唯一の海外組として、背番号10を背負った。3試合連続でスターティングメンバ―に名を連ねたように、指揮官の信頼は厚かった。1ゴール1アシストと結果を残したMF{{食野亮太郎}だが、「寂しい結果。実力不足。悔しいです」と声を落とした。

 最終戦カタール戦は3-4-2-1の左シャドーの位置でスタートするが、前半アディショナルタイムにMF田中碧(川崎F)が退場し、4-4-1とシステム変更すると、左サイドハーフの位置に。中2日の連戦の影響もあってか、これまでの2試合と比べるとキレは劣っていたが、後半27分に“輝き”を放つ。

 左サイドでMF杉岡大暉(湘南→鹿島)からパスを受けると、中央へと切れ込む。待ち構えるFW小川航基(水戸→磐田)へとラストパスを届け、先制点をお膳立てした。しかし、この1点が勝利へと結び付くことはなく、同33分にPKで追い付かれたチームは1-1で引き分けることになった。

「チャンスで打ってきたのが自分なので、打てる時に打たないといけない。もっと打てる場面もあったし、サウジ戦も無理な角度から打って入ったので、打っていかないと。『打ってゴールにつなげられる選手』というのは、スコットランドに戻って取り戻すべきことだと思う」

 東京五輪本大会まで約半年。限られた時間であることに間違いないが、「6か月あれば成長できる」とキッパリ。それは昨季の自身が証明している。昨シーズン序盤はG大阪U-23の一員として、J3リーグでプレーしながらも、序盤に8得点と量産して一時は得点ランクトップに立った。その後は主戦場をJ1に移すと、5月11日の鳥栖戦で初ゴールを記録。J1リーグ戦12試合出場3得点を記録すると、8月9日にマンチェスター・シティへの完全移籍が発表され、同月30日にはスコティッシュ・プレミアシップのハーツへの期限付き移籍が発表された。

 約半年で戦いの場はJ3から海外へと移った。半年という時間には、無限の可能性が秘められていることを実感している。

「あと半年か、まだ半年かは個人次第。僕はまだ半年だと思っているし、6か月あれば成長できる。死に物狂いで取り組めば、個が大きくなってチームが大きくなると思っている」。スコットランドへと戻り、さらなる成長を遂げ、再び同代表に合流したい。

(取材・文 折戸岳彦)
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