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[蹴活生ガイド2020(関西)]立命大は右のMF田中康介も注目。メンタル成長、今を「進化に繋げる時間に」

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メンタル面で成長した立命大MF田中康介主将はピッチで結果を残す

 今年の立命大は、サンフレッチェ広島の特別指定選手として2月のルヴァンカップでプロデビューした左サイドアタッカーMF藤井智也(4年=長良高)に注目が集まるが、反対サイドに君臨するMF田中康介(4年=京都U-18)にも目を向けて欲しい。

 50m5秒9の俊足を活かした積極的な仕掛けを繰り返す藤井とは違い、プレーに派手さはないが、相手DFのギャップに上手く顔を出してボールを引き出し、チャンスに絡む動きは秀逸だ。自信を覗かせる豊富な運動量と溢れんばかりの闘志を活かした攻守への関与も多く、チームに不可欠となっている。”一家に一台”ならぬ、”チームに一人”いれば助かる存在であるのは、間違いない。

 1年目から出場機会を掴んできた彼も、最終学年を迎えた。プロ入りへのアピールを励むつもりでいたが、新型コロナの影響により、関西学生サッカーリーグの前期は中止が決定。チームとしても活動停止が続いているが、決して下を向かない。現在は、よりしなやかなプレーができるようオンライン会議システムを利用し、ピラティスのトレーナーのレッスンを受講。加えて、身体の仕組みについての勉強も進めている。

「リーグ戦で結果を残すのが、プロ入りに繋がると思っていたので、そういう場が減るのは正直悔しい。でも、悔しさや不安を抱えている選手は僕だけじゃないし、就活をしている人も色んな不安を抱えながらいると思う。僕は、ただ不安を抱えたまま過ごすのではなく、進化に繋げる時間にしたい」。

 今年は、「練習からチームの雰囲気を変えたい。立命は自分たちが雰囲気や内容をどれだけ上げていけるかが大事。自分が先頭に立って頑張りたい」と自らキャプテンに立候補した。

 参考にするのは、「毎日、誰よりも声を出していた」と振り返る2年前のキャプテンだったGK白坂楓馬(現・HondaFC)だ。「雰囲気が悪かったり、声が出ていないのは技術云々じゃなく、どの選手でも意識すれば高められる部分。そうした緩さをなくし、当たり前のことを当たり前にできるチームにしたい」と新チーム発足以降は、練習から意識変化を求めた。

 加えて、選手同士で練習試合ごとのテーマを設けて、話し合いを行ってきた。取り組みの成果は少しずつ表れており、「今年のテーマである人間力は、向上できていると思う」と口にする。

 こう話す田中からは、メンタル面で確かな成長を感じる。京都U-18時代も、キャプテンを任されたが、プレミアリーグの前期は黒星が先行した。結果が出ないチームの雰囲気は良くなかったが、「皆との関係が壊れるのが嫌だった。ミーティングも怖くて、まったく開けなかった」。「キャプテンマークが重く感じてしまった」と試合中にも関わらず、チームメイトに譲り渡した試合もあった。

 しかし、大学生活を通じて逞しさを増した今回は違う。「今なら嫌われ役に徹しようと思える。チームの為になるなら、嫌われても自分の信念を負けずに貫こうと思うんです」。一回りも二回りも大きく成長した姿をピッチで表現できれば、自ずと結果もついてくるだろう。今年は、より高いステージへと羽ばたくチャンスだ。

※この連載は、各チーム承諾の上、「蹴活生」たちに電話取材しています。

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。

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