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南アフリカW杯での壮絶体験…カカ「その場にいた者だけが知っている」

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ブラジル代表時代のカカ氏

 2010年の南アフリカ・ワールドカップはカカ氏に苦い記憶として刻まれている。元ブラジル代表のスター選手は膝と股関節を負傷した状態で本番に臨み、それが大会後のキャリアに暗い影を落とした。スペイン『アス』が「カカが体験した最悪の悪夢」と題して伝えている。

 カカ氏は2003年に加入したミランで全盛期を過ごし、南アフリカ大会の1年前に6800万ユーロ(約82億円)でレアル・マドリーに移籍。だが、負傷の影響もあってミラン時代の輝きを見せられず、2009-10シーズンはチームとして無冠に終わった。

 同紙によると当時、膝と股関節に深刻な問題を抱えながらシーズンを通してプレーしていたという。ブラジルサッカー連盟(CBF)は否定していたが、南アフリカW杯を迎えても万全の状態ではなかったようだ。

 カカ氏は「当時、僕の膝はとてもとても悪く、股関節の問題も非常に深刻だった」と明かし、「股関節と膝に感じた鋭い刺すような痛みが、私の動きを制限していたんだ」と説明している。

 その言葉通り、グループリーグ初戦の北朝鮮戦ではパフォーマンスが冴えず、後半途中に交代した。第2戦のコートジボワール戦では2アシストを記録したが、終盤に2度目の警告を受けて退場。追い打ちをかけるように、太ももにダメージを負った。まさに満身創痍の状態。コートジボワール戦後には、こんなエピソードもあったという。

「トレーニング後、バスに乗った時に倒れて泣いた日があった。私は『終わったんだよ。もう我慢できない』と言った。しかしチームメイトが振り向いてくれて、私を落ち着かせてくれた。その場にいた者だけが、私にとってあのワールドカップでプレーすることがどれほどの犠牲を払っていたかを知っている」

 グループリーグを突破したブラジルは決勝トーナメント1回戦でチリを3-0で下したものの、続くベスト8でオランダに1-2で敗北。南アフリカからの帰国後、カカ氏は膝の手術を受け、年内は絶望となった。翌年に復帰したが、どん底から完全には立ち直ることができず、同紙は「彼は2度と元に戻ることはなかった」と記している。

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