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東福岡の新たな「4」、大型CB野口明。高さと闘争心も発揮して不落の砦に

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東福岡高の大型CB野口明は今年、チームを勝たせる存在へ

[2020シーズンへ向けて](※東福岡高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)

 自分自身のストロングポイントをはっきりと理解している。「ヘディングです。とにかくヘディングを練習してきました」。190cm近い長身から繰り出すヘディングが最大の武器。東福岡高の大型CB野口明(3年)はどの試合でも制空権を握り、チームの勝利に結びつける。

 1月の県新人戦では、同じく190cm近い長身を持つCB左座佑真(3年)らともに最終ラインの中央に君臨。赤い砦を築いた。九州大会出場を懸けた準決勝は後半終了間際の失点からPK戦で敗退したが、野口は成長を実感しているゴール前で身体を張って守る部分や鋭いサイドチェンジなどを同大会で披露。東福岡に進学して良かったことについて「レベルの高いライバルと切磋琢磨して常に成長できることです」という野口は、日頃の競争を成長に繋げてきている。

 持ち味の高さは、攻撃面でも発揮してきた。自身が印象に残っている試合として挙げる1年時の球蹴男児U-16リーグ最終節(対筑陽学園高)で2発。同年の全国ルーキリーグ交流大会では、ライバル・大津高(熊本)と対戦した3位決定戦での2ゴールを含めて計4ゴールを記録している。

 今年の新人戦でも、チームが攻めあぐねた2回戦(対福岡大大濠高)で後半にCKから豪快な先制ヘッド。Aチームの柱にならなければならない今年、トップレベルの相手でも自分の強みを発揮して名門の“不落の砦”、また得点源になることができるか注目だ。

 昨年はセカンドチームが出場した県1部リーグで経験を重ね、選手権予選決勝は交代出場したものの、先制されてからのFW起用。今年が勝負の年だが、新型コロナウイルスの影響によって思うようなシーズンにはなっていない。リーグ戦の開幕が延期され、インターハイは中止に。野口は「とても悔しい」と残念がる。

 だが、チームの活動休止期間は、その悔しさをエネルギーに変えてきた。「悔しさをバネに自宅練習期間中は、長距離走・筋トレ・ロングキックなどを中心に取り組んできました」という。レアル・マドリーのCBセルヒオ・ラモスの闘争心やキャプテンシーに憧れを持つ野口は、これまでの自分に不足していたチームを盛り上げたり、鼓舞する部分をレベルアップすることも目標だ。

 新人戦で背負った背番号は「4」。この番号は、野口が1年時に目標の選手に挙げていた2学年上の先輩CB西田翔央(現早稲田大)や昨年のCB丸山海大(現明治大)が背負っていた番号だ。日本高校選抜や年代別日本代表を経験している彼らのように、「4」を受け継ぐ野口も世代を代表するようなCBになるか。プレー面だけでなく、精神面でも東福岡を引っ張り、「日本一を獲るために東福岡に進学しました」という目標を達成すること。そして、個人としての評価も勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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