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コロナ禍で希望進路を変更。スピード&パワー武器の鹿島学園FW押久保弘人は大学からプロへ

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鹿島学園高FW押久保弘人は馬力とスピードで存在感

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、希望する進路の変更を余儀なくされている。それでも、強豪・鹿島学園高の俊足FW押久保弘人は気持ちを切り替えて「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」茨城県開催に臨み、特長を発揮。現在の目標へ向けて、一歩前進した。

 紅白戦1本目の序盤から、印象的な動きを見せていた。50m走6秒1のスピードと馬力を活かした動きで決定的なシーンを作り出していく。「最初から自分の持ち味の裏抜けとかパワー、スピードなど出そうと決めていて、とにかくCBからの呼び込みとかは意識しました」と押久保。一発で相手DFを裏返してゴールに迫るなど、怖い存在になっていた。

 4本目には右サイドからの折り返しを受けると、コントロールでDFを巧みに外して左足シュート。だが、「素直さが出ちゃいました」と苦笑いした一撃はGK正面を突き、ストライカーとして結果を残すことはできなかった。

「監督からも言われていたんですけれども、結果の部分を出せなかったことが悔しくて……」。鹿島学園の鈴木雅人監督からはゴール前で“遊び心”を持つように言われているという。大学のスカウトの前でのアピールチャンスで決定機をいくつか作り出したが、いずれもシュートを素直に打って外してしまったことを反省。課題として取り組み、しっかりと決め切るFWを目指す。

 押久保は、昨年度の選手権茨城県予選決勝で先発するなど下級生時から強豪校で出場機会を得てきた選手だ。進路については、「最初スペインに行きたくて、自分は(渡欧することを)考えていました」。鹿島学園は2018年からスペインの強豪、ビジャレアルと業務提携。押久保は縁のあるスペインでの挑戦を目指していたが、新型コロナウイルスの影響によって、難しい情勢となっている。

 目標はあくまでプロ。そのために大学サッカーの強豪へ進学し、レベルアップして将来の可能性を広げたいという考えだ。今回のトライアルを貴重なチャンスと捉え、アピールに成功。押久保は「自分の特長であるファイティングスピリットや戦う姿勢とかスピードとか裏の抜け出しを見て欲しいです。運動量も自信があるので、前から(プレッシングを)掛けろと言われれば掛けれますし、後ろ向きな姿勢を見せないところを続けていきたいです」。ブレずに自分の良さを出し続けてプロにへの道を切り開いていく。

 選手権予選も大学へのアピール機会の一つだ。「最近、(茨城県予選3連覇中の)明秀(日立)、明秀と言われていて、もう聞きたくなくて。ずっと意識して負けたくないという気持ちを持っています」という押久保が、この日決められなかったゴールを決め続けて、大学からより求められる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
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