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“真剣勝負の場”「From Now On」首位決戦、清水ユースが山梨学院を3-0撃破

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前半7分、清水エスパルスユースFW千葉寛汰が先制ゴール

[8.16 U-18甲信静FOOTBALL LEAGUE「From Now On」 清水ユース3-0山梨学院高 鈴与三保G]

 静岡、山梨、長野の3県の有志による私設リーグ「U-18甲信静FOOTBALL LEAGUE 2020『 From Now On』」の清水エスパルスユース山梨学院高が16日に開催され、FW千葉寛汰(2年)の先制点など3-0で清水ユースが快勝した。

「From Now On」は、「インターハイやクラブユースなど夏に行うはずだった真剣勝負の場がなくなった。目標もなく練習を続けるのは難しい。新型コロナの影響で9月以降に予定されている公式戦もいつ止まるか分からない状況で、子どもたちに『真剣勝負ができた』という経験を残したい」との想いを持つ山梨学院の長谷川大監督が発起人となり、高体連(山梨学院、藤枝東高)、Jリーグ(清水、甲府U-18、松本U-18)、JFAアカデミー福島が垣根を超えて行っているリーグ戦だ。

 地域、カテゴリーが異なるチームが集うため、9月から始まるリーグ戦に向け手の内を隠す必要はなく、全チームが本気で試合に挑めるのが売りだ(清水ユースと藤枝東はスーパープリンスリーグ東海で同ブロック)。また、優勝チームと得点王には大会を協賛する味の素株式会社とキリンビバレッジ株式会社から副賞が贈られる。試合は全て日帰りで実施し、試合前には体調チェックの検温や給水など、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しているのも特徴だ。

「選手は練習試合じゃなく、プリンスリーグと同じ感覚でプレーしている」(長谷川監督)のは山梨学院だけではない。7月中旬の開幕以降、多くの熱戦が繰り広げられる中、この日は3連勝中の首位・清水ユースと2連勝中の2位・山梨学院の一戦が行われた。

 気合十分で試合に挑んだ山梨学院だったが、立ち上がりは「相手とミスマッチが起きた所を突いて行くイメージを持っていた」(岩下潤監督)清水のペースで試合が進む。MF中里圭佑(3年)と鈴木奎吾(2年)のダブルボランチを中心とした落ち着いたパス回しからサイドアタックを引き出し、見せ場を作った。

 前半7分にはMF青島健大(3年)がFW小塩拳生(3年)との連携で右サイドを突破。ゴール前に入れたパスを、「ゴール前に飛び込んでいく自分の特徴を出せた」と振り返るFW千葉がスライディングで合わせて、清水が先制した。

 続く12分にはDF田島詳基(3年)が右サイド後方から中央にクロスを入れると、うまくDFの背後を飛び出した小塩が決めて清水が山梨学院を突き放した。以降も清水ユースが押し気味で試合を進めたが、山梨学院はGK熊倉匠(3年)ら守備陣が粘り強く対処し、3点目を与えず前半を終えた。

「前半の立ち上がりに2本決められたのが痛かった。後半は自分たちのやりたいサッカーが少しずつできていたので、防げていればまた違った結果になったと思う」(熊倉)と立ち上がりの失点を引きずる形となった山梨学院だったが、後半は戦い方を修正。MF新井爽太(3年)のロングスローやMF野田武瑠(3年)のドリブルから見せ場を作るが、シュートまで持ち込めない。

 後半27分には高い位置でボールを奪ったFW茂木秀人イファイン(2年)の突破から、MF石川隼大(2年)が決定機を迎えたが、DFに阻まれた。その後は再び清水にチャンスが訪れ、33分にはMF金子星太(2年)が3点目をマークし、タイムアップ。千葉は「3点では満足できないけど、しっかり勝てたのは良かった」と笑顔を見せた。

 真剣勝負だからこそ得られる物は多い。「プレッシャーのない状況やリラックスした練習試合でのプレーではなく、こういう緊張感のある試合でのプレーが大事。何ができて何ができなかったか明確になるのは有難い。トレーニングで積み上げてきた物を発揮する場としては非常に有難かった」と話すのは、岩下監督だ。

 幸先良く2得点を奪った試合序盤のように持ち味を出せる場面が多かった点が収穫だとすれば、山梨学院に押し込まれる時間を与えた後半は修正点。「相手が強く奪いに来た時に個人でかわすのか、味方を使ってかわすのか判断が必要になる。うまく行かないと試合の流れが相手に奪われてしまう。後半の苦しい時間帯にボールを失わずに踏ん張るのが必要だと感じて欲しい」(岩下監督)。この夏に6チームが味わっている真剣勝負経験は、選手権やクラブユース選手権といったそれぞれが挑む今後のステージに活きるはずだ。

(取材・文 森田将義)

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