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昌平高から5年連続、FC LAVIDA出身では初のJリーガー誕生。新潟内定FW小見洋太は“6年間”表現して選手権日本一へ

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FW小見洋太FC LAVIDA昌平高での6年間で進化し、アルビレックス新潟入り。次は選手権日本一に挑戦

 昌平高(埼玉)から5年連続となるJリーガーが誕生した。28日、FW小見洋太(3年)が来季からのアルビレックス新潟加入内定。昌平からは16年のMF松本泰志(現福岡)とMF針谷岳晃(現磐田)、17年のFW佐相壱明(現長野)、18年のMF原田虹輝(現川崎F)、19年のMF鎌田大夢(現福島)に続いて5年連続となるJクラブ加入となった。小見は昌平高グラウンドで活動し、昌平高のコーチングスタッフが指導するFC LAVIDAジュニアユース出身。同クラブからは設立9年目で初のJリーガー誕生となった。

 現在の小見はゴールに非常に貪欲なストライカーだが、LAVIDA時代のポジションはSHやトップ下。本人も「中学の時は自分の中でドリブルにこだわりを持っていて、ドリブラーというキャラだったんですけれども……」と微笑む。昌平進学後にFWへ転向し、裏抜けやシュートを磨き続けて活躍。評価を高め、自身の未来を切り開いた。

 LAVIDAの村松明人監督は「こんなに抜け出す選手になるとは思わなかった。でも、アイツはよく考えていますよ、サッカーを。あとは点を獲る。(中学時代も)点獲るのはアイツだった」と振り返る。

 小学生時代にJクラブのジュニアチームを「いたから培えた部分もあるので、感謝しています。(でも自分は)もっとドリブルをやりたかった」という理由で辞め、FCリアンを経てLAVIDAへ。小見は技術力とともに攻守の切り替えの部分を中学時代に伸ばせたことが大きかったという。「3年間で切り替えの部分は徹底してやってきた。それができないと昌平で出れないと感じているので、それを中学時代に培えたのは大きい」と説明する。

 考える力や技術力の部分に特化して育成をする印象のLAVIDAだが、小見はそこで考えて貪欲に「自分のプレー」を進化させてきた。昌平では2年時の選手権埼玉県予選で7ゴールを叩き出して全国出場に貢献すると、全国大会でも攻守に渡って奮闘。8強入りの原動力となった。個人としても大会優秀選手に選出された小見はその後、U-18日本代表、日本高校選抜入り。抜群の切り替えの速さや何度でも動き出しを繰り返す部分、献身的な攻守、そして随所で見せる技術力の高さ、ゴールへの執念……昌平とLAVIDAでの6年間で高めたものがプロ入りや年代別日本代表選出に繋がった。

 小見は昌平のチームメート、コーチングスタッフとともに選手権日本一を勝ち取り、新潟入りする考えだ。「(高校)1年の時は試合に出れずに苦しい期間が続いたんですけれども、2年の時に試合に出し続けてもらって、代表にも行くことができて、3年でインターハイと選手権の全国2冠を目指してきました。インターハイがなくなってしまったんですけれども、この3年間で培ったものを日本一で表せたら良いなと思っています」と力を込めた。
 
 選手権は昨年度の悔しさを晴らす舞台でもある。準々決勝で前回王者の青森山田高に2-3で惜敗。小見は1アシストこそ記録したが、無得点で悔し涙をのんでいる。大会通じてゴールを破ることができないまま終わっているだけに、今年は自分のゴールでチームを勝たせる意気込みだ。

「去年に比べてプレッシャーがあると思うんですけれども、去年は1点も取れていないので、『今年こそは』という強い思いがあります。チャンス自体は自分でも作れていたし、周りからもチャンスもらっていたけれど、決め切れなかったという悔しい思いがある。返すのは、『選手権しか、ない』。全国大会で返したいと思います」。昌平高のグラウンドで6年間ストイックに取り組んできたことを表現し、ゴール、その他のプレーでも貢献するだけ。そして、昨年度の悔しさは必ず晴らす。

(取材・文 吉田太郎)

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