beacon

支配率29.7%、シュート3本で3発勝利…就任後全勝の神戸三浦監督「勝ち星を得るため必要なことにトライしている」

このエントリーをはてなブックマークに追加

神戸の三浦淳寛監督

[10.4 J1第20節 横浜FM2-3神戸 ニッパツ]

 シュート3本をすべて沈めたヴィッセル神戸が、29本のシュートでゴールに迫り続けた横浜F・マリノスを3-2で破った。試合後のオンライン取材で「勝てはしたが、非常に課題の残った試合になった」と厳しい表情を浮かべた三浦淳寛監督だったが、「勝ち星を得られるために必要なことにトライしている」という戦いぶりで就任初戦から無傷の3連勝となった。

 内容では相手の一方的優勢だったが、チーム成熟度の差を割り切った試合運びと、指揮官の就任直後から取り組んできた守備強化が光った一戦だった。開始直後のクロス攻撃で先制点を献上したが、個人能力を活かしたカウンター攻撃ですぐさまひっくり返すと、その後はセンターバック2枚の強さで追加失点を許さず。後半はシステム変更で陣地を取り戻してリードを広げ、最後はシュートの雨を浴びながらもなんとか1失点にとどめて守り切った。

「うまく絞ってくるマルコス・ジュニオールとエリキのシャドーを使われて、そこからサイドに展開されたことで、守備の安定を考えたときに本当に危ないシーンがたくさんあった」(三浦)。2-1でリードしていた前半をそう見ていた指揮官は、ハーフタイムにMFセルジ・サンペールを下げてMF安井拓也を投入し、中盤3枚を逆三角形から正三角形に変更。MFアンドレス・イニエスタの自由度を広げた上で、3トップの動きにも修正を加えたという。

 その結果、前半に比べればボールを握れる時間も増え、後半11分にはイニエスタのボール奪取からFW古橋亨梧の追加点が生まれた。そしてその後は「守備の意識づけは徹底してやっている」という新体制の色で応対。「中央を締めることでサイドに追い込んでいく。あとデュエルのところは“やるか、やらないか”。やれば勝ちの確率は上がってくる」と選手の踏ん張りを信じ、最後の最後まで押し寄せてきたシュートに耐え抜いた。

 この一戦、神戸のボール支配率29.7%(データサイト『Opta』日本版ツイッター@OptaJiroより)。指揮官が「やりたいサッカーはもっと違う形で明確にある」と強調したように、内容面で満足できるものではない。それでも「ただ、守備も攻撃も一気に変えられる能力はいまの僕にはないので、勝ち星を得られるために必要なことにトライしている」という現実的な狙いは、この3連勝で身を結んでいると言える。

 とはいえ、イニエスタやDFトーマス・フェルマーレンを始め、海外のビッグネームを積極的に獲得してきたクラブにおいて、守り切っての3連勝が目指すべきところではない。失点シーンを例に挙げて「私が選手に伝えていた指示どおりにやった結果、失点した。自分も失点を分析して、選手たちに何が悪かったのか、自分の反省も含めて改善していきたい」と謙虚に語った指揮官は「改善点はたくさんあるので、いい内容のゲームができるようトレーニングしていきたい」と先を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2020シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP