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[MOM3233]秋田工FW二木楽人(3年)_就職試験とともに続けてきた努力。エースが仲間に感謝の2発!

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後半3分、秋田工高FW二木楽人が右足で同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 選手権秋田県予選準決勝 秋田工高 2-1 西目高 ソユスタ]

「いつもはエースというエースではないんですよ。練習では全然決めないし……」。「(先制された時は)半分心が折れかけていました。『オレが取り返してやろう』という強い気持ちは正直なかったです……」

 この日、秋田工高を逆転勝ちへ導いた10番は、インパクトのある活躍とは対象的に謙虚な発言を連発していた。むしろ自分の2得点が信じられないという口調と表情。DF陣をはじめ、各選手の我慢強い守備が大きな勝因だったことは確かだが、秋田工を25年ぶりとなる決勝へ導いたのは間違いなくエースFW二木楽人(3年)だった。

 前半から50m走6秒1の俊足を活かしたドリブルが西目高を苦しめていた。前線でボールを収め、前を向くと一気にスペースを攻略。守備面での貢献度も大きく、前半はインターセプトからのスルーパスで決定機も演出している。

 そして先制された直後の後半3分、「『オレが取り返してやろう』という強い気持ちは正直なかったです」という10番が、秋田工に勇気を与える。FW西井太陽(1年)のパスで右サイドを抜け出すと、飛び出してきたGKの脇を抜くシュートを決めて同点。1プレーで流れとスコアを変えて見せた。

 そして1-1の後半26分には、メンバー交代直後の相手の一瞬の隙を突いて「右のスペースは結構狙っていました」という右サイドへ再び抜け出す。そして、再び右足で西目ゴールを破った。アシストは西井と同じ1年生の右SB渡邊恭輔。「1年生が頑張ってくれたので。(アシストしてくれた)1年生の2人には感謝しかないです」とヒーローはここでも謙虚に感謝していた。

 伊藤英樹監督も「相手にとっては嫌だと思います」と認める快足。だが、今大会は十分な活躍ができていなかった。今月、就職勉強、就職試験のために二木がまともに練習に参加した時間はわずか。前日も公務員試験受験のため、フルメニューのトレーニングは行っていないのだという。

「練習にもあまり参加できなくて、試験とガッツリ重なっていて。平日も試験とかで学校にもなかなか行けていなくて、一泊二日で試験もあったり、不安でした」と二木。その中で朝早く通学して身体を動かすなど、できる限りの準備をしてきた。「人生で一番大変な時でしたね」という日々。それでも、朝練習に付き合ってくれたDF三浦亘喜(3年)ら仲間の支えと二木の努力がこの日の結果に繋がった。

 23日の決勝前日練習は通常参加できる見込み。「しっかりと気持ちを作っていきたい」という二木は、「西目とか秋商とかどんどん敗れていって番狂わせと言われているんですけれども、その人たちは俺らよりも練習を頑張ってきたと思う。その人たちの分も最後まで走り切って、絶対に勝ち切りたいですね」と誓った。

 公立校のエースはコロナ禍の中でも諦めずに努力してきた県内の高校生の思いも背負って決勝のピッチへ。対戦する明桜高は強敵だが、我慢強い守備とエースの活躍次第ではチャンスもある。二木は仲間とともに必ず最後まで走り切り、ゴールを決めて秋田工に全国初出場をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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