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新屋は延長戦で敗戦も「今季一番」の戦い。2年生レフティー・高橋「来年はこの舞台でリベンジしたい」

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新屋高の2年生レフティー・MF高橋慶樹は来年リベンジすることを誓った

[10.22 選手権秋田県予選準決勝 明桜高 1-0(延長)新屋高 ソユスタ]

 6年ぶりの全国出場を目指した新屋高は延長戦の末に涙を呑んだ。ポゼッションスタイルを特長とする新屋だが、リーグ戦で明桜高に大敗していることもあり、この日は守備とダイナミックな攻撃を主とした戦いに。良い形でボールを持った際には繋ぐ選択をしていたが、まずは人数をかけた守りからFW小室祐輝(3年)らのスピードを活かして明桜に対抗した。

 特に前半は風下だったこともあり、失点ゼロで行くことを意識。全員で良く集中していた守備を続け、狙い通りのゲーム運びを見せた。その中でボランチのMF高橋慶樹(2年、秋田U-15出身)が左足の精度を発揮。長短の左足キックでサイドへ質の高いボールをつけていたほか、ダイレクトでスルーパスを狙うなど存在感を放つ。

 高橋やFW佐藤琉誠(3年)、MF藤原貴大主将(3年)を起点にサイドから思い切りの良い仕掛けも。後半には交代出場の左SB神戸葵(1年)がPAへ割って入るシーンもあった。だが、高橋は「相手の方が何枚も上手だった。一人ひとりの強さとか質とか相手の方が上だった」と悔しがる。チャンスになりかけたシーンはあったものの、シュートまで持ち込むことができず、延長戦の失点によって0-1で敗れた。

 それでも、楢岡直志監督は「今季一番のサッカーができたと思う」と選手たちを讃える。それぞれが我慢しながら、100分間懸命に戦い、勝機を見出していた。後半半ば以降はサイドを突破されるシーンが増えていたが、必ず誰かがカバー。高橋も「ロッカールームでは、まず『見ている人に感動を与えた』っていうことを言われました。戦う姿勢というのは見せることが出来ました」と先輩たちと戦い抜いたことに胸を張る。

 その先輩たちの悔しさは自分たちが晴らすだけ。高橋は「この3年生とサッカーをして得たものはあと1年無駄にしないで、自分が引っ張っていく立場なので頑張っていきたい。自分がボランチとしてパス動かしたり、隙見てスルーパスだったりでチャンスメークしないといけない。積極的にやってきたい。普段からの練習で止める・蹴るの基本のところをもっと今からやって、来年はこの舞台でリベンジしたいと思います」と宣言した。高橋は左足が警戒されている中でのプレー向上も求めていく。そして来年はより新屋らしく戦って、必ず頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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