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悔し涙で終わったラストゲーム。国見FW中島大嘉は「国見のためにも、自分のためにも」札幌で輝く

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国見高のため、自分のためにも北海道コンサドーレ札幌での活躍を誓うFW中島大嘉

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 国見高 0-1 創成館高 百花台公園サッカー場]

「3年間が悪かったという訳ではないけれど、胸を張って最高の3年間だったとは言えないです」

 スカウトに『一目惚れ』させるほどの能力を示し、高評価を得て北海道コンサドーレ札幌加入内定。国見高FW中島大嘉(3年)は、高卒でのプロ入りという多くの高校生プレーヤーたちが掲げる夢の一つを実現した。それでも、選手権長崎県予選準決勝敗退後、「最高の3年間だったとは言えない」とコメント。その理由は、国見を復活させるという目標を実現できなかったからだった。

 国見出身の両親を持つ中島は、「もう一回、青と黄色のユニフォームを。最近(全国に)出れていないというのは知っていたので、自分が入って自分が連れて行ったら『格好良いな』と思って」大阪から国見へ進学した。戦後最多タイとなる全国高校選手権優勝6回を誇る名門も、2010年度大会の出場を最後に予選敗退の連続。中島は青と黄色のユニフォームをもう一度全国へ導くという決意とともに長崎へ渡り、祖父母の家から学校に通った。

 両親を知る国見の人々の温かさも感じながらの3年間。188cmの高さと快足を併せ持つゴールハンターへ成長した中島は札幌内定を決め、必ず恩返しするという思いを持ってこの選手権に臨んだ。そして、初戦から2試合連続ゴールを記録。9月から札幌へ長期の練習参加を行っていた中島は、この準決勝でも成長した姿を示していた。

 元山形DFの国見・木藤健太監督は「(札幌へ練習参加したことで)できることが増えました。今日で言うとファウルになったりはしたんですけれども、胸トラップでボールを収めたり、今まで(浮き球)はフリックで背後に流すことくらいしかできなかったのを、身体をぶつけて収めて起点を作ることができるようになっていましたし、あとは入り方もオフのところで工夫しながらやって、ニアで得点したりしていました」と頷く。

 また、この日は前線からの高速プレスでGKのキックを足に当てるシーンや、スペースへのボールに追いついて右足を振り抜くシーンもあった。だが、徹底的に高さを封じられ、後半15分に訪れたゴール前のこぼれ球のチャンスも活かせず。チームを勝たせることができなかったFWは試合終了とともにピッチに泣き崩れ、創成館高の励ましにも応じることができなかった。国見のDF権堂秀人主将(3年)に促されて立ち上がり、挨拶。だが、試合終了から暫く時間が経過しても目は涙で赤く染まったままだった。

「今は本当に申し訳ないとしか言えないです。国見の青と黄色の縦縞をもう一度全国に連れて行く。それをモチベーションにして入学したけれど、3年間で1回も達成できなかった。今日で青と黄色のユニフォームを着るのが最後なので、凄く悔しいです」

 国見はこの日先発したDF川久保幸之介、MF濱田渉帆、MF北村一真の3人の1年生や190cmCB山田純大(2年)ら下級生の選手たちが新たなスタートを切る。木藤監督は「楽しみな選手が多いので、またこれから色を出せるように」。中島は青と黄色の復活を後輩に託し、自分は国見の代表としてプロのステージで戦うつもりだ。

「自分が活躍することで国見高校が元気になったり、国見高校に憧れる人も間違いなく増えると思う。今回、全国に行けなかったので、自分がより一層活躍して国見に貢献したいし、しないといけない。そういう気持ちが強くなったので、切り替えるのは難しいかもしれないけれど、国見のためにも、自分のためにも活躍することだけを考えて生活していきたいと思います」

 この後、特別指定選手として札幌に再合流する予定。FWとして、1点勝負のゲームでチームを勝たせられなかったことは忘れない。「どんな試合でも、試合を決定づけられる選手にならないといけない」という決意も胸にトレーニングを重ね、必ずJの舞台で羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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