beacon

[MOM3286]青森山田MF松木玖生(2年)_「選手権の松木」。全てにおいて違う選手掲げる10番が先制弾!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半10分、青森山田高MF松木玖生が左足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 選手権青森県予選決勝 青森山田高 3-0 八戸学院野辺地西高 カクヒログループアスレチックスタジアム]

「選手権の松木」だ。24連覇を懸けた青森県予選決勝で青森山田高に先制点をもたらしたのは、U-17日本代表MF松木玖生(2年)だった。

 0-0で迎えた後半10分、青森山田は相手のクリアボールを左中間で奪うと背番号10へ繋ぐ。「(MF小原由敬の1タッチパスで)抜け出した時に並行をチラッと見たんですけれども、(味方のサポートが)間に合いそうになかったので、思い切って一個持ち出したタイミングで自分で打とうと思いました」と松木。左中間、角度はそれほど無かったが、自主練から繰り返しているというファーへのシュートを見事に決めた。

 2年生エースが、相手守備のギャップを狙う目と決定力の高さを表現する一撃だった。ゴールを決めると、左手でピストルの形を作ってこめかみに当て「(特別な意味はないが)オレだぞ、みたいな感じです」とゴールパフォーマンス。そして、「まずは本当にチームが第一でチームのために戦おうと思って、その中で先制点が自分のゴールだったことは凄く光栄なことだと思いますし、(今後も)自分のゴールでチームを勝たせて行きたいと思っています」と微笑んだ。

 今大会は準決勝、決勝と徹底マークを受けてきた。だが、これまで以上に周りを上手く活用している印象だ。この日もサイドプレーヤーとの関わりが良く、リターンパスを受けて前を向いたり、スペースへの配球で味方の特長を引き出していた。

「周りにも良さを持っている選手がいるので、その選手を活かしながら自分も活躍していくのは意図としてあります」。昨年度の選手権で4ゴール。今年はより厳しいマークを受けているが、その中で着実にできることを増やしている。

 松木は自分が「ここだけは負けたくない」点について「全て」と答える。「全てにおいて他の選手との違いを見せないといけない立場になってきているので、何かじゃなくて全てですね。全てを兼ね備えた選手に」。左足、技術、決定力、守備、運動量……全てで一番の選手になることを本気で目指している。

「常に高い目標を持ちながらプレーしているので、プロから目をつけられるようなプレーを常にしていきたいですし、世界ですぐ羽ばたけるような努力とかはしています」。この日は相手を背負ってのプレーでも違いを示していた。年代別日本代表で国際大会を経験している松木は、世界で戦える選手になるために瞬発力などをさらに向上させていく考えだ。

 黒田剛監督も口にしていたが、対戦相手が松木とスーパープリンスリーグ東北得点王MF安斎颯馬(3年)の2シャドーを止めることは容易ではないだろう。加えて松木は「この冬に掛けて、自分らしいサッカーができていると実感しています」と語る。

 1年時の夏は肉体強化した一方でキレが低下。だが、秋、冬にかけてコンディションや前への姿勢を高めて選手権での活躍に繋げた。今年も夏から秋、冬に掛けてよりパフォーマンスが上がってきている感覚があるようだ。そして、この日は存在感ある動きを続けて見事な先制ゴール。「選手権の松木」が今冬も躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP