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「超攻撃的サッカー」掲げる藤枝明誠は“別の形”が勝因に

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藤枝明誠高CB野口楓真が背後のボールに対応。準決勝、決勝は無失点で優勝した

[11.14 選手権静岡県予選決勝 東海大静岡翔洋高 0-3 藤枝明誠高 エコパ]

 3-0で勝利した決勝後、「もっと繋げないと」と攻撃面での課題を口にしていた藤枝明誠高・松本安司監督だが、守備面については評価していた。

 9月に開幕したスーパープリンスリーグ東海へ向けて、名古屋U-18と行った練習試合で大量失点。松本監督は「グランパスには10点くらい取られました。僕は遅れて行ったんですけれども、着いたらもう4点取られていた」と苦笑する。

 昨年のクラブユース選手権とJユースカップ優勝を制している強豪との戦いで露呈した守備面の課題。指揮官は、スーパープリンスリーグ東海の清水ユース戦へ向けて「やったことない守備のトレーニング」を実施したという。

 守備の距離感、バランスを重視。連動性のある守備と攻撃に取り組んできた。清水ユース戦は0-2で敗れたものの、後半7分に退場者を出すまでは0-0。そこで一つ成果を出して、選手権予選に臨んでいた。

 1回戦と準々決勝ではいずれも失点したものの、相手にボールを握られた静岡学園高との準決勝では名古屋U-18や清水ユース戦の経験が活きて無失点。この日も前半にスルーパスでDFラインを割られたシーンこそあったが、それを除くとCB寺田昂弥(3年) とCB野口楓真(2年)を中心にPAへの侵入を許さず、公式記録上の被シュートはわずか1本だった。

 そして、準決勝、決勝はセットプレーから得点。伝統的にテクニカルなスタイルで、「超攻撃的サッカー」を掲げる藤枝明誠だが、特長以外の部分が目立っての優勝となった。松本監督は「守備をしっかりやった中でCK、FKという、“別の形の明誠”が見えて私もビックリしているんですけど……」と苦笑いしたが、全国大会を戦う上でも守備の安定は大きい。「超攻撃的サッカー」を実現するために繋ぐ部分をレベルアップさせること。同時に、「我慢強い守備というのも今年はチームづくりをしていた」(MF中山碧主将、3年)というチームは「別の形」守備面での強みも持って全国に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
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