あの悔しさを無駄にしないためにも――。U-23日本代表候補GK大迫敬介(広島)は「必ず五輪に出たい」と東京五輪メンバー入りを目指し、成長を続ける。

　今年1月にタイで開催されたAFC U-23選手権。メンバーに名を連ねた大迫は全試合ゴールマウスを託され、自身は好セーブも披露した。しかし、チームの結果に結び付かなかった。1分2敗と未勝利で大会を終えたチームは、史上初のグループリーグ敗退を味わうことになった。

　今でも、あの悔しさは忘れていない。「全員が悔しい思いをしたし、アジアでの敗退を受け止めなければいけないのが現実」。だが、立ち止まったわけではない。その悔しさを、前を向いて歩みを進めるパワーへと変えた。

「五輪前に危機感を与えてもらったのは収穫だと思っている。悔しい思いを持ちながら、限られた時間の中で危機感を持ちながら、一つひとつの練習に取り組むことで、あの大会が生きると思う。あの大会を無駄にしないように、経験した選手もそうでない選手も一つになって、五輪に向かって準備を進めていきたい」

　東京五輪は1年延期となったが、「思いは変わらない。必ず出たい」と改めて決意。「メンバーに入って日本代表のユニフォームを着て戦いたい思いは変わらないし、自国開催なので結果が求められる大会だと思っている。その目標に向かって準備していきたい」と意気込みを示した。

(取材・文　折戸岳彦)