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「あの舞台に戻る」の強い気持ちで千葉制覇。市立船橋MF佐久間は結果と成長を手にする選手権に

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市立船橋高の10番MF佐久間賢飛

 市立船橋高の10番MF佐久間賢飛(3年)にとって選手権は全国制覇を成し遂げると同時に、プロのスカウトや関係者たちに「自分もいるぞ」ということを示す大会だ。

 チームも自分自身も硬かったという前回大会初戦(対日章学園高)は前半の入りが悪く、後半はスイッチが入ったものの、得点を奪うことができずに0-0でPK戦敗退。当時、2年生ボランチだった佐久間は「終わっちゃったんだという気持ちで涙が止まらなかった」。失意の初戦敗退とだった。

 だが、その悔しさや2年時の大舞台の経験は今年の力に。「『絶対にあの舞台に戻る』という気持ちで予選は戦えていたので、去年の経験が大きかったのかなと思います。去年大舞台を経験している分、今年、自分たちの代になった時に一個落ち着いてプレーできるようになったと自分では感じています。自信は去年よりは全然あって、今は本当にワクワクという気持ちの方が多いですね」。自信を持って2度目の選手権に臨む。

 新型コロナウイルスの影響で学校が臨時休校に。その間は自宅でトレーニングバイクを漕いだり、筋トレに取り組むなど体力維持に注力してきた。佐久間は「球際、切り替え、運動量」というチームの「3原則」を誰よりも体現する存在。「3原則」を表現した上で「個人としても、チームとしても、結果を残せれば良いかなと思っています。チームが優勝することが一番なんですけれども、個人としても活躍して終わりたいです。得点に多く絡んで行けるようにしたいです。カウンターなどで運動量を多くして、ゴール前に入って行くというプレーも増やしていきたいと思っています」と誓った。

 選手権ではFC東京U-15深川時代のチームメートたちとの対戦を楽しみにしている。同時に心に抱いているのは、「履正社とかプロ内定のボランチ(MF平岡大陽)とかいるので、ライバル視じゃないですけれども負けたくないなというのはあります」という思い。佐久間も高校からのプロ入りを目指していたが、今年はコロナ禍によってアピール機会を得られず、10月になって大学進学を決断した。

 選手権は「自分もいるぞ」、ということを示す大会でもある。自分がプロに届かなかった理由は「圧倒的な武器というのが自分にはまだないので」。まずは得意としている守備を圧倒的な武器にするために、ボール奪取の回数をさらに増やしたり、球際で絶対に負けない選手にならなければならないと考えている。市立船橋進学後、2学年上の先輩たちとの練習の中で高められたという守備を選手権期間中も成長させて、結果も残す。

(※市立船橋高の協力により、リモート形式で取材をさせて頂いています)

(取材・文 吉田太郎)
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