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ユース取材ライター陣が推薦する選手権注目の11傑vol.3

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川端氏が推薦するFW垣内太陽(日本文理大附高)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権注目の11傑』」

 ゲキサカでは12月31日に開幕する第99回全国高校サッカー選手権の注目選手を大特集。「選手権注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第3回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦氏による11人です。

川端暁彦氏「コロナ禍の中で行われる99回目の高校サッカー選手権。『無事に始まって無事に終わってくれ』という思いが何より強いですし、その中で一際強く輝く選手を観てみたいという気持ちでいっぱいです。今年は取材活動にも制約が大きかったですが、その中でも選手権予選決勝の全試合がネットで配信され、リーグ戦でも多くの映像をインターネット経由で観戦することができました。そこで今回は、直接取材する機会を得られなかった中からも、そうした形でプレーを観て『これは!』と思った選手も含めて11人を選んでみました。すでにプロ入りが発表されている選手は除いていますが、それでも個性豊かで魅力的な選手たちを揃えられたかと思います」

以下、川端氏が推薦する11名
GK永田健人(創成館高2年)
長崎の地で花開きつつあるガンバ育ちの守護神。九州新人大会では大先輩・東口順昭を彷彿とさせるビッグセーバーとして存在感を放っていたが、激戦の長崎県予選を無失点で駆け抜けたことから分かるように安定感も増してきた。

DF石田侑資(市立船橋高3年)
技術・戦術が重要なのは言うまでもないが、DFにとって最後に問われるのはやはり気持ちの強さ。市船の伝統を受け継いだ5番がゴール前で見せる存在感は特別なモノで、1対1でもカバーリングでも、そしてリーダーシップもひと味違う。

DF一瀬大寿(山梨学院高3年)
FC東京の大先輩・渡辺剛と同じく、高校に入ってから身長が伸びてCBとして開花した選手で、今では上空での戦いに絶対の自信を見せるほどになった。元々はMFだっただけに、ボールさばきの質も高く、攻撃の第一歩にもなる。

MF永吉飛翔(神村学園高3年)
U-16日本代表の1年生コンビが注目される神村学園だが、心臓を担うのはこの10番だ。長短のボールを駆使してパスワークの結節点として機能するだけでなく、球際のバトルでも怯むことがなく、守備への貢献度も高い。

MF島野怜(仙台育英高2年)
指折りのポテンシャルを評価される大型ボランチ。前年度の選手権でも全国のピッチを経験し、U-16日本代表候補にも名を連ねるなど今年は飛躍のシーズンとなった。基本的な技術が高く、ダイナミックな左足のキックも光る。

MF平原隆暉(昌平高2年)
新人大会ではメンバー外だったが、そこから評価を高めてスタメンを勝ち取った。藤島崇之監督が『止める・蹴るに関してはウチで一番うまい』と評する技術の高さに加え、課題としてきたゴール前への飛び出しに関しても成長の跡。

MF安斎颯馬(青森山田高3年)
サイドでもボランチでもプレーできる万能型MFだが、一番怖さが出るのは、トップ下からゴール前へと出て行く時だろう。パスワークに絡み、ドリブルでの仕掛けも交えつつ、最後の局面で必ず“おいしい位置”にこの男が入ってきている。

MF廣井蘭人(帝京長岡高1年)
新潟県予選決勝ではその左足から先制弾。技術的な引き出しの多さ、遊び心を感じさせるプレースタイル、プレッシャーを恐れない度胸の良さといった“帝京長岡っぽさ”を1年生にして発揮しており、選手権本大会での爆発にも期待。

FW立石宗悟(桐蔭学園高2年)
神奈川県予選、共に1-0で競り勝った2回戦・相洋戦、準決勝・横浜創英戦で唯一のゴールを奪うと、決勝の桐光学園戦でも先制点に加えて、決勝PKを奪い取る大仕事。前年度からの大きな成長を感じさせるプレーぶりで、全国でのブレイクにも期待がかかる。

FW吉倉昇空(富山一高3年)
チームが勝っても無得点なら喜べないほどゴールに強烈なこだわりを持ちながらアシストも得意という、ちょっと変わった演出家兼任の主演俳優。駆け引きから相手DFを出し抜くプレーに秀でるほか、直接FKからの得点能力も備える。

FW垣内太陽(日本文理大附高3年)
ビヨンいった擬態語を入れたくなるハイジャンプからのヘッドを最大の武器とする佐伯のエアマスター。県予選15得点は伊達ではない。左ウイングの位置で相手右SBと競る形は必殺の威力を誇る。地味に持久力もあり、試合の最後まで“跳べる”のも強み。

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)


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