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[MOM3363]丸岡FW河上英瑞(3年)_仲間と競り合った先に待っていた試合を決定づける完璧ヘッド!!

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丸岡FW河上英瑞(3年)が攻撃を牽引(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 丸岡 4-1 大手前高松 味フィ西]

 前半16分の時点で2-0。丸岡高(福井)にとって理想的な試合運びだったが、早い時間での2点リードほど怖いものもない。どうしても気が緩みがちになり、その状態で1点返された瞬間、勢いづくのは相手の方になる。大手前高松高(香川)もその点は十分理解していた。焦らず、まずは自分たちのサッカーを取り戻そうと努める。現に早めの選手交代で流れを変えるシュートも出た。

 次の1点をどちらが取るか。2-0のまま前半が終わりそうになったアディショナルタイム。答えを出したのがFW河上英瑞(3年)だった。右CKの場面、MF川中浩夢(3年)の右足から精度の高いボールがゴール中央に放り込まれると、フリーの状態からヘディングシュート。大手前高松に防ぐ手立てはなかった。

「あの場面、DF飯田晃明(3年)にマークが固まるのは分かっていたので、自分があくのでは、と思っていました。そこにいいボールを上げてくれました」

 ゴールと同時に前半が終了。丸岡には最高の形で、大手前高松には最悪の形でのハーフタイムとなった。それほど試合に与えたこの1点の価値は大きい。

 セットプレーは丸岡の得意とするところだ。大手前高松もその点は十分に理解していたし、かなり警戒していたが、それでもこの試合で2点を奪った。

「うちにはジャンプ力のある選手が多いので練習から競い合っています。自分がつぶされたとしても(同じFWの)FW新堀陽斗(3年)やFW中村晃大(3年)がいる。自分がおさめることで彼らをはじめ味方が上がってきてくれるのでその時間を稼ぐのが仕事だと思ってます」

 話からは仲間への厚い信頼が感じられる。得点シーンに関しても仲間との練習の賜物だと言い切る。信頼が個々のプレッシャーをやわらげ、安心感をもたらす。今のいいチーム状態を代弁してくれた。

 丸岡はこれで昨年度の2回戦敗退を超え3回戦に進出した。河上自身も昨年度大会に続く2年連続ゴール。元CBのFWは、エースとして仲間を信頼し、仲間に信頼され、目標の埼玉スタジアムを目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 伊藤亮)

●【特設】高校選手権2020

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