3度目の正直だった。桐蔭横浜大のMF神垣陸(4年=尚志高)は10月初旬に初めてレノファ山口FCの練習に参加。しかしそこでは満足いくパフォーマンスを発揮できず、“合格”を貰うことは出来なかった。「正直、一回目がダメだったので、ダメかなと思いました」。

　しかし山口も神垣を諦めなった。クラブも11月に入って2度の“追試”を実施。そして神垣自身も「いい意味で吹っ切れてやれた」と振り返る3度目の練習参加の際の練習試合を終えたあとに合格を言い渡された。

「(眞鍋)旭輝君を見に来てくれていた時に自分の調子がよくて、そこから追ってもらえるようになった。練習に行ったときもサポートを、自分がミスをしてもカバーしてくれた。あの人の支えがあって入れたのかなと思います」

　3年生の途中までは、主に社会人リーグを戦うBチームでプレー。しかし5月の天皇杯神奈川県予選の決勝のSC相模原戦で抜擢されると、ハイパフォーマンスを披露した。さらに関東大学リーグの後期からレギュラーとして定着すると、シーズン終了後には全日本大学選抜にまで招集された。

　本人は入学当初、「4年間、出られないことも覚悟していた」という。それでも地道な努力で実力をつけてきた。さらに2学年下の高校の後輩たちの活躍も刺激にして頑張ってきたという。「腐ったら終わりと思ってやってきました。高校の後輩たちが(高校選手権で)ベスト4に行ったときは、自分たちが3年生の時の1年生でかぶっている代だったので、いい刺激をもらって、自分も頑張れたと思います」。

　目指すはもちろん、ルーキーイヤーからの活躍だ。「自分の特長は長短のパスを使ってチャンスを作るところ。足りないところはボールを奪い切るところ。そこもプロの世界でもまれて向上して、弱点のないような選手になりたいと思います」。“諦めない男”が強い決意を胸に、プロの世界に飛び込む。

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