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名古屋U-18MF斉藤洋大は攻守に意欲。絶対的なボランチへ成長を遂げる

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名古屋グランパスU-18のコンダクター斉藤洋大

 幾度となく味わってきた悔しい想いが、必ず成長の糧になることを、もうこの17歳は知っている。「1年生から試合に出させてもらって、凄く緊張する試合もたくさん経験してきたので、自分から声を出して、チームを引っ張っていく存在になっていかないといけないと感じています」。名古屋グランパスU-18(愛知)のコンダクター。斉藤洋大(2年)。勝負の年。

 1年時からいきなり夏のクラブユース選手権(U-18)大会でも出場機会を得るなど、大きな期待を背負ってきた斉藤も今年は高校ラストイヤー。2021プーマカップ群馬初日の前橋育英高戦でも、昨年からボランチでコンビを組んできた加藤玄(2年)と中盤を仕切り、チーム3点目をCKからアシスト。存在感を発揮する。

「全体のスライド、全体の押し上げという所を玄とは常に意識してやっています。2人でのパス交換も増えたし、守備もやりやすいですし、だいぶいい感じでやれていますね。試合中は常に喋っていて、玄から言われることもあるし、自分が伝えることもあって、それを受け止めてくれたり、自分も受け止めて、チームを良い方向に持っていこうと頑張っています」。既に連携は抜群。この年代でもトップクラスのドイスボランチと表現しても差し支えなさそうだ。

 斉藤には忘れられない試合がある。2019年12月15日。埼玉スタジアム2002。高円宮杯プレミアリーグファイナル。「今までで一番緊張した試合」でフル出場を果たすも、青森山田高に2-3で敗戦。日本一にはあと一歩で手が届かなかった。「ああいう大舞台で何もできなくて、自分の未熟さを感じたので、『もう1回あそこに立って優勝したいな』という気持ちは強いです」。

 圧倒的な悔しさから、導き出したのは守備面の強化だ。「まずは守備の所でボールを奪い切れる力とか、試合を通して走り切れる力をもっと伸ばさないと、上で通用しないなというのは感じたので、去年は守備の意識を一昨年より強く持つようになって、スライドの速さとか、五分五分のボールを奪い切る力というのは、本当に練習から意識してやっています」。

 イメージするのはトップチームで活躍する稲垣祥米本拓司。彼らの攻守に渡る献身性が1つの指標となっている。それゆえにU-18のチームメイトも複数参加した、この冬の沖縄キャンプに招集されなかったことは、斉藤にとって悔しい出来事だった。「チェックする気はなかったですけど、SNSでU-18の選手が試合に出ている情報が自然と流れてきて、『あ、試合出てるな』と。そこでもメチャメチャ悔しかったですし、『自分は何をしてるんだろう』という気持ちはありましたね」。

 ただ、それで腐るようなタマではない。「練習からアピールというか、やり続けるしかないので、常に目の前のことに集中して、1試合1試合、1日1日の練習から違いを見せていく意識はさらに高まりました」。

 チームを率いる古賀聡監督も「斉藤は攻撃的な選手だったんですけど、守備面でボールを奪えるようになっていますし、良くなってきています。キャンプに呼ばれなくてモチベーションを落としたりすることもないですし、貪欲に上を目指してやっているので、楽しみな選手です」と言及。悔しさを力に変え、前だけを向いて進む力強さも彼には備わっている。

「今年は自分にとってもチームにとっても本当に大事な1年なので、青森山田に負けたあのピッチに立って、このメンバーでプレミアファイナルに優勝することが目標ですし、個人的には今年からエリートリーグもあるので、そこに出ることでトップの関係者にアピールできるように、そしてトップへの昇格を目指して頑張りたいと思っています」。

 持ち味の攻撃センスに加わりつつある努力の守備意識。そのスケール感、底知れず。斉藤洋大。要注目だ。

(取材・文 土屋雅史)

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