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[中国新人]高川学園は左利きの司令塔、MF北健志郎が“試合を決めるパス”

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高川学園高MF北健志郎は2ゴールを演出した

[3.14 中国高校新人大会準々決勝 高川学園高 3-1 広島皆実高]

 左利きの司令塔が、準々決勝で強みを発揮した。高川学園高(山口)MF北健志郎(2年)は、選手権にも交代出場しているボランチ。「相手のリズムを崩すようなパスだったり、1本のパスで試合を決められるような選手になりたいです」という北は、ボールを失わずにゲームメークし、パスで“試合を決めた”。

 前半18分の先制点は北が起点だった。「(良い位置に)林が立ってくれているので、展開すればチャンスになる」と語るレフティーは、自陣左サイドから見事な対角のロングパス。精度、飛距離も併せ持つ左足で局面を大きく変えると、パスを受けたMF林晴己(2年)のクロスからMF西澤和哉(2年)が先制ヘッドを決めた。

 さらに前半31分には、「あの場所はずっと練習していて、狙うところも明確だった」という右FKから、ニアのFW中山桂吾(2年)の頭へピンポイントのボールを合わせて2点目をアシストした。

 得意の左足キックでスコアを動かした北は、ゲームメークの部分でも存在感。登録身長は171cmと大柄ではないものの、「相手のパワーを上手くいなすことをある程度できるようになっている」(江本孝監督)。参考にしているのは、MFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)の重心のズラし方。寄せてきた相手の勢いを受けないようにボールを置き、巧みに身体を入れ、逆を取る形で保持して味方にボールを繋いでいた。

 上の学年で対外試合や公式戦で経験を重ね、今年は強豪校相手でも自信を持ってゲームメークすることができている。1年時から江本監督に指摘されてきた課題の守備面も向上。“潰し役”を担うMF桑原豪(2年)とのボランチコンビは、関係性が良好で「良いバランスを取れている。声を掛け合ってやれている」。その北が決勝(15日)でもゲームメーク、“試合を決めるパス”で高川学園を中国制覇へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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