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“ずば抜けた”スピードとパワーが武器。後半、延長戦も仕掛け続けた瀬戸内の10番FW佐野竜眞

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瀬戸内高の10番FW佐野竜眞

[3.15 中国高校新人大会決勝 高川学園高 1-1(PK4-3)瀬戸内高]

 敗れたものの、決勝で目を引く動きを見せた。瀬戸内高(広島)の10番FW佐野竜眞(2年=兵庫FC出身)は後半終盤、延長戦と体力的に苦しい時間帯で存在感。スピード、馬力のある仕掛けでサイドを破り、クロスやシュートを打ち込んだ。

 延長後半ラストプレーでも縦突破からの左クロスで決定機を演出。だが、チャンスメークした一方で無得点に終わったことを悔しがる。「ゴール前まで行けたんですけれども、決め切ることができなかったので、そこは戻って練習します。自分としてはスピードとパワーは誰よりもずば抜けているかなと思うので、そこを活かして次は決定力を上げて勝たせたいです」と誓っていた。

 街クラブでサッカーをしていたという父と陸上競技で兵庫県3位だったというアスリートの母、瀬戸内OBの兄を持つ。50m走5秒台の快足、負けん気の強さが全面に出ているところは魅力だ。「小学校の頃から、親とかに『気持ちのところはしっかりと誰よりも強く持て』と言われていた」。その強いメンタリティーが、試合終盤の頑張りに繋がっているかもしれない。

 昨年はSBとしてプレー。その経験はウイングとなった現在も守備の部分やクロスの精度に繋がっているという。一方で選手権予選は自分のところから失点して敗戦。その悔しさが大きなエネルギーになっている。人間的に成長するために学校生活から変化。日常からゴミ拾いを行い、決勝前にもゴミ拾いをしてから会場入りした。

 新チームでは副キャプテンにも任命され、「人としてちょっとは成長できた」と佐野。かつて、FW安部裕葵(現バルセロナ)も背負った10番の後継者は、高校からのプロ入りが目標だ。

 そのためにはコンディションをより上げて決め切る力を取り戻すこと。また、田中健二郎監督が「前半に全く触れなかったので、次のステップでボールを触れるところに全体を動かせるか」という課題にも取り組み、自分の強みを発揮して関係者たちにアピールする。

(取材・文 吉田太郎)

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