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[MOM3414]立正大淞南GK長野大河(2年)_中国地方屈指の守護神、ビッグセーブと「負けれない」武器発揮

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立正大淞南高の注目GK長野大河

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.15 中国高校新人大会3位決定戦 立正大淞南高 1-1 米子北高]

 中国新人大会3位決定戦は、山陰のライバル2校が意地と意地とをぶつけ合う好ゲームだった。激しくパンチを打ち合うような試合展開の中で、より多くのチャンスを作っていたのは米子北高(鳥取)の方。だが、その前に立正大淞南高(島根)のGK長野大河(2年=大阪セントラルFC出身)が立ちはだかった。

 前半、不運なPKによって失点。長野自身も焦りが出ていた時間帯があったという。だが、同点に追いつき、一丸となって後半へ向かったチームの中で長野は集中。押し込まれる展開の中でビッグセーブを見せた。

 後半19分、抜け出してきたMF渡部颯斗(2年)の決定的な左足シュートを左手一本でストップ。「あれは出るか、止まるかだったんですけれども止まって待ったほうが良いかなと思って、そこは待ちましたね。(手で弾けたのは) それも日頃の練習の成果だったと思います」。25分のピンチも決定的なシュートを足でストップしたほか、キャッチングも安定していた印象だ。

 加えて、飛距離十分の左足キックを披露。中学生時代から武器にしてきたというキックは中国大会でも対戦相手を大いに苦しめていた。この日対戦した米子北のGK山田陽介(2年)も飛距離のある左足キックが特長。「負けれない」と感じたように、キックは長野にとってこだわりの武器だ。

 キックやシュートセーブという強みを磨いてきた一方、課題だったキャッチングは基礎から見直して取り組み、一定のレベルに。ただし、満足することなく寮生活、学校生活から変えてより自分自身を高めていく。

 兄でOBのDF長野諒太(現桃山学院大)らが先輩たちがプレーする姿に憧れを抱き、立正大淞南へ進学。昨年からレギュラーを掴んでいるが、選手権予選決勝はPK戦で敗れた。「僕の中ではプラスになっています。先輩の思いであったり、淞南の歴史であったり(背負って)もう一回変わらないといけないと思いました」という敗戦から、より信頼されるGKへ。メンタル面を逞しく変化させ、苦しい戦いでもチームを勝たせる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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