[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.3 関東大学L第1節 明治大3-2流通経済大 味フィ西]

　前半12分、明治大はDFの背後を取ったFW佐藤恵允(2年=実践学園高)がGKと1対1を迎える。ただシュートは薄井覇斗(4年=流通経済大柏高)に完璧に止められてしまった。

「気持ちを持っていかれそうになった」と振り返る場面。しかし仲間の声掛けで気持ちを繋ぎとめると、前半18分、佐藤恵はDF石井優輝(4年=昌平高)のクリアボールで背後を取る。今度は右足でしっかりと流し込み、先制点を決めた。

「流し込むだけのボールが来たので、決められて良かった。公式戦初ゴール。監督からもゴール前の雑なところは課題として挙げられていました。1年間で積み上げられたことが、今日のゴールに繋がったと思います」

　“相方”への意識を十分にする。この日2トップを組んだFW太田龍之介(2年=岡山U-18)は、昨年の開幕戦から試合出場。ルーキーイヤーに6得点を決める活躍をみせた。一方で佐藤恵も後期から関東リーグの試合に絡めるようになったが、最後まで得点を奪うことはできなかった。

「先に出場されて悔しさを自分の中で落とし込んで、1年間練習から励んできました。今日はこの1年間で変わったところを見せつけてやろうと思っていました。でも太田とは今日も絶対俺らで勝たせるぞという話をして挑んでいました。結果的に2人で点を決めて勝てて良かった。これからも切磋琢磨していきたいです」

　コロンビア人の父と日本人の母を持つストライカー。前への推進力が武器で、昨年はサイドハーフとしても起用されてプレーの幅を広げた。「目指している選手はマーカス・ラッシュフォード選手。年代も近くて、似ているところがあると思っています」。

　明大のエースストライカーは近年、佐藤亮(北九州)、佐藤凌我(東京V)と佐藤姓が続いた。「歴代の選手に並んでもおかしくないような選手になれるように頑張りたいです」。今季は2桁ゴールを目指すと宣言した佐藤恵が、“明大エース佐藤”の系譜を継ぐ。

(取材・文　児玉幸洋)

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●第95回関東大学L特集