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福井商はGK山下の70m弾で準決勝進出!強力FWも擁す今年は「優勝して全国」へ

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後半23分、先制点を決めたGK山下翔央福井商高イレブンが祝福

[6.4 インターハイ福井県予選準々決勝 金津高 0-1 福井商高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝G]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)福井県予選準々決勝が4日に行われ、福井商高がGK山下翔央(3年)の決勝点によって金津高に1-0で勝った。

 決勝点は左利きのGK山下の70m弾だった。0-0の後半23分、福井商は自陣中ほどから山下がロングキック。「雨で滑るのでクリアして、チャンスボールになれば良いかなと思って蹴りました」というボールはDFライン背後でバウンドすると、相手GKの頭上を越えてそのままゴールネットに吸い込まれた。

 中盤と4バックの2ラインを敷き、堅守を見せていた金津から待望の先制点。高木謙治監督は「(得点できない中、)DFが大きい崩れ方をすることなくゼロでやれたので、いつかセットプレーか何かで決まればと思っていましたけれど、まさかああいう形で入るとは思っていませんでした」と微笑んでいた。

 今年の福井商は、J1湘南にも練習参加しているFW中津悠哉主将(3年)が絶対的なエース。この日も雨中で絶妙なファーストタッチから何度もドリブルでゴールへ向かっていた。だが、金津は中津と俊足FW谷柊呂(2年)の強力2トップを警戒して中央で分厚いブロック。CB水野太晴主将(3年)とCB森川諒(2年)の両DFを中心に堅く、奪ったボールを前線のFW三津屋仁英(3年)が収めるなど攻め返す力も見せていた。

 その中で福井商は、中津や2年生MF伊藤慎也がサイドを活用してスペースを広げるなど状況に応じた攻撃。DF陣が積極的にミドルシュートを放つなど相手の堅守を攻略しようとする。再三ゴールに迫りながら1点が遠かったものの、抜群の高さを発揮していたCB橋爪太陽(2年)とCB畑中大悠(3年)の両DFを中心に無失点。そして、守護神のスーパーゴールでリードを奪った。

 金津も失点直後に右サイドからの崩しで決定機を作ったが、決めることができず。終盤も粘り強い守備を見せていたものの、中津のポスト直撃の左足シュートなど最後まで攻め続けた福井商が1-0で勝利した。

 福井商は昨秋の新人戦で名門・丸岡高と同点優勝。今年は、2枠ある地元インターハイ出場の有力候補だ。例年は打倒・丸岡にエネルギーをぶつけているが、この夏は追われる立場に。それでも、「守備を固められた中でもどう勝ち上がっていくかというのはまた一つステップアップに繋がると思うので、良い経験をさせてもらっている」と高木監督が語るように、上手く行かない中で選手が対応力をつけるなど着実に成長できているようだ。

 選手たちの打倒・丸岡への思いも変わらない。中津は「自分らの目標は優勝、1位で全国大会に行くというのがあるので、プレッシャーは感じているんですけれども目標は一つなので、そこで一致団結していると思います」と語り、山下も「今年2校出ますけれども、優勝して全国に出ないといけないので、決勝へ進んで、決勝で勝って優勝したい」と力を込めた。まずは北陸高との準決勝突破に全力。そして、決勝も勝って、開催県第1代表としてインターハイに出場する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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