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スーパーハードワークに加え、技術面も強化。福井工大福井が藤島振り切り、インハイまであと1勝

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福井工大福井高に巧さと判断力でアクセントを加えていたMF林大雅

[6.4 インターハイ福井県予選準々決勝 福井工大福井高 2-1 藤島高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝G]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)福井県予選準々決勝が4日に行われ、福井工大福井高が藤島高に2-1で勝利。福井工大福井は、16年以来のインターハイ出場を懸けて準決勝(5日)で丸岡高と戦う。
 
 先にチャンスを作ったのは県下屈指の進学校・藤島だった。前半7分、左サイドをFW山田尚輝(3年)が駆け上がり、MF森本悠生(3年)のクロスをMF木原羽潤が合わせる。加えて、CB寺澤穂高主将(3年)を中心に気持ちも込もった守備も見せる藤島に対し、前任の岸本浩右監督(京都U-15、京都U-18監督として全国優勝)時代に代名詞の「スーパーハードワーク」を徹底して身につけ、入江寛監督就任(コーチから昇格)後も受け継ぐ福井工大福井は雨中でハードワークを続ける。
 
 その上で、「一番冷静にプレーしようと思っています。(自分がその役割をという気持ちが)ちょっとあります」という技巧派の左MF林大雅(3年)や、前線でボールを収める10番FW長谷川魁星(3年)が攻撃のアクセントになって攻め返す。

 そして前半30分には、「頑張るところは持っている。プラス、繋ぐところ、逆取れるところも上手く出せれば良い」(入江監督)と新チームが意識的に取り組んできたパスワーク、崩しの部分が効果を発揮。左サイドでのパス交換によって相手の守りを引きつけ、MF八木拓磨(3年)がスルーパスを通す。これに走り込んだ長谷川が体勢を崩しながらも泥臭く右足シュートを決め、先制した。

 福井工大福井は後半、セットプレーの数を増やすなど主導権を握り続ける。そして19分、右CKが流れたものの、林が折り返し、最後はMF矢島洸我(3年)が追加点。藤島も直後に右クロスをFW村上詢坪(3年)が頭で合わせて1点を奪い返す。

 さらに22分にも山田が決定的なシュートを放ったが、福井工大福井GK亀谷海勝(3年)がファインセーブ。その後、精神的支柱のCB渡辺秋生主将(3年)中心にリードを守った福井工大福井が2-1で勝ち、全国出場に王手をかけている。

 インターハイに懸ける気持ちの強い藤島相手に飲み込まれるのではなく、「自分らの気持ちとか技術を発揮して勝ちに行こう」と送り出された福井工大福井は特長のハードワークと技術面も表現して全国へあと1勝。準決勝の対戦相手は昨秋の新人戦で逆転負けを喫している丸岡高だ。

 林が「最後の最後までやり切るみたいな。(岸本監督時代から教わったことが)活かされていると思っています」というスーパーハードワークと、メッセージ性のあるパス交換で相手の守りを破って名門を上回るか。林は「新人戦よりも全然良いと思っています。絶対に勝ちたいですね」。リベンジを果たし、通算3度目のインターハイ出場を勝ち取る。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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