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主将欠場のアクシデントも全員で前向きに戦い、PK戦で乗り越えた北陸が代表決定戦へ!:福井

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北陸高がPK戦を制し、福井準決勝進出

[6.4 インターハイ福井県予選準々決勝 北陸高 0-0(PK5-4)啓新高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝G]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)福井県予選準々決勝が4日に行われ、北陸高が0-0で突入したPK戦の末、啓新高に5-4で勝利。北陸は準決勝で94年以来3度目のインターハイ出場を懸けて福井商高と戦う。

 北陸は前日のトレーニングで主将の大型MF清水慧吾主将(3年)が負傷し、欠場。主軸ボランチを欠いたチームはFW吉田侑平(3年)がボランチへ回り、FW橋本万碧(1年)やCB酒井優生(2年)が先発起用された。

 松本吉英監督が「(就任)16年目で一番大きいです」という今年は、180cm以上の選手を複数擁す。特長とする相手の状況を良く見て、ボールを動かすことと並行し、セカンドボールの回収の部分やセットプレーの強化をしてきたという。

 この日は清水の欠場や風雨の影響で思うようにボールを動かすことができなかった。だが、松本監督が「今日良かったことは普段リザーブの選手が良く頑張ったことです」と讃えたように、先発のチャンスを得た選手たちが奮闘する。

 前半終了間際には啓新に押し込まれたが、ゲーム主将の183cmGK川辺悠人(3年)が「僕はそれを全員で守ったことが、きょうの試合で一番良かったことかなと思います」と振り返ったように、全員で我慢して得点を許さなかった。

 啓新は後半も活動量豊富なFW石川慶二郎やMF柿原雄介らが相手を押し下げ、左SB田中力矢がロングスローを連発。だが北陸は決定打を打たせず、逆に10番MF中川慧斗(3年)を中心としたパスワークで押し返した。

 0-0で突入した延長戦では中川がサイドで味方をサポートし、クロスの本数を増やしていたものの、得点を奪うことはできなかった。それでも、0-0で突入したPK戦で5人全員が成功して勝利。中川は「自分たちのやりたいようなサッカーができなかったけれど、全員の気持ちが一つになって、この相手に勝ち切れたところは良かったと思います」と微笑んだ。

 北陸イレブンは、負傷欠場した清水から「自分たちを信じてやれ」というメッセージを受けていたという。清水の分も声がけなどで貢献していた川辺は、「前日に清水が怪我をしてみんな下を向くのかなと思っていたんですけれども、みんな前向きでやっていました。清水がいない中で自分がチームを引っ張っていかないといけないと思いましたし、ここで勝っていかないと全国では通用しない」と臨んで勝利した。

 チームの目標は「(地元開催の)インターハイに出て1勝」「1位で全国へ」。そのために代表権の懸かった準決勝も一体感を持って戦い、一歩でも、半歩でも、目の前の相手を上回る。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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