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帝京三は「8」背負う“影のエース”MF小林凜太郎がファインショットで先制点:山梨

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前半34分、帝京三高MF小林凜太郎がドリブルから左足ミドルを決めて先制点

[6.20 インターハイ山梨県予選決勝 帝京三高 2-1(延長)韮崎高]

“影のエース”がファインゴールを決めた。前半34分、帝京三高は前線へのフィードにFW趙浚杓(3年)が競ると、こぼれ球を拾ったMF小林凜太郎(3年=フォルトゥナSC出身)がドリブルから左足を振り抜く。

 ペナルティアークの外側から右隅を狙ったという一撃は、「思ったよりも良いコースに飛んだ。思い切って振り切れたところがゴールに繋がった」。相良和弘監督も「元々(シュートを)持っているけれど、いつ炸裂させるかという。よく決めたわ」と驚くシュートによって、帝京三は貴重なリードを手にした。

 ゴールを決めて“ノッた”小林はその後、左サイドで存在感。テクニックを駆使してボールを落ち着かせ、またスペースを巧みに活用するパス、ドリブルでチャンスメークしていた。加えて、得意のロングスローでゴール前のシーンを演出。攻撃の中心になっていた印象だ。

 今大会で小林が背負った背番号は「8」。新人戦と関東大会予選で「10」を任されていたが、関東大会予選後に1か月間ほど先発を外れていたこともあり、インターハイ予選は趙が「10」をつけてプレーした。

 小林はチーム屈指のテクニシャンで決定力も魅力だが、春先は思うように身体を動かすことができずに不振。当時を「自分が穴というか、迷惑かけているなと自覚していた。他の選手入れて流れをよくした方が良いと思っていた」と振り返る。だが、自分に期待をしていなかった訳ではない。まずは一日一日の練習にしっかりと取り組んでコンディションを向上。そして、先発を取り戻し、大一番で結果を残した。

 相良監督によると、「うちは、8番がエース番号。オレが、8番が好きなので」。指揮官の指示ではなかったようだが、コーチ陣は自然な流れで「8」を小林に託していた。小林自身、「8」を特別意識していた訳ではないという。それでも、「期待してくれているのはあると思うので、結果を示せて良かったと思います」と微笑んでいた。

 この日のプレーに満足はしていない。延長後半2分にMF辻友翔(1年)のクロスから放った決定的なヘッドは枠外。また、後半に自身の左クロスからFW細田皐太(3年)のヘディング弾がオフサイドになったシーンについては、「もうちょっと早いタイミングで上げていれば。自分の実力不足」と首を振った。

 悔しい思いを経験しているMFは貪欲に成長を目指し、インターハイへ。「ハードワークをチーム全体ですることが勝利に繋がると思うので、それは徹底したいと思いますし、全国各地で予選があって、それを勝ち抜いてきているチームなので、全部強いと思うので、なぎ倒せるようにしたい」。“影のエース”が全国でも貴重なゴールをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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