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後半ATに執念の同点ゴールも…伝統校・韮崎は関東予選に続いて準Vに:山梨

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後半アディショナルタイム、韮崎高は交代出場FW熊谷顕士のゴールで追いついたが……

[6.20 インターハイ山梨県予選決勝 帝京三高 2-1(延長)韮崎高]

 執念の同点ゴールも実らなかった。2大会連続31回目のインターハイ出場を目指した韮崎高は、0-1の後半40+1分に同点ゴール。エースFW鈴木斗真(3年)が左サイドから鋭いドリブルで切れ込み、こぼれ球を交代出場FW熊谷顕士(3年)が正確な右足シュートで射抜いた。

 韮崎は、サブの選手たちがウォーミングアップエリアからピッチの選手たちへ向けてよく声がけしていたことが印象的だった。特に声を響かせ、ピッチでも仲間を鼓舞していた3年生FWの一撃。これで勢いづいた韮崎は、後半終了間際の数分間、そして延長戦でも帝京三高を押し込んだ。

 この日、前半からロングスローを投げ続けたCB岡田聖亜(3年)がゴール前のシーンを演出。鈴木や交代出場組のFW倉岡泰輝(2年)とMF外川翔瑛(2年)の仕掛けも効いていた。だが、ややロングスロー頼みになっていたことも確か。高さのある帝京三に跳ね返されて得点することができず、逆に延長後半アディショナルタイムに決勝点を奪われてしまった。

 小泉圭二監督は「あの時間でサイドをもう少し取れれば良かったんですけれども。ロングスロー頼みになっていたので、もうちょっと動かしても良かった」と指摘。練習で重ねてきた、味方に預けてポケットへ侵入する攻撃を発揮できていただけに、丁寧な崩しからゴールを目指していれば、結果は変わったかもしれない。

 韮崎は今年4月に就任した小泉監督の下、関東大会予選、インターハイ予選で準優勝。岡田やMF佐藤寧峰主将(3年)を中心とした堅守と鋭い攻撃で2大会連続ファイナリストになったものの、優勝には手が届かなかった。だが、この悔しさがエネルギーになることは間違いない。指揮官も「この負けで選手権獲りたいという気持ちになると思うので、この夏チームとして頑張ってパワーアップできるように」と頷いた。

 ボールを正確に動かす部分や、エース鈴木がマークされている中でも得点するパターンを身につけることなど攻撃・守備のクオリティを上げて冬へ。「子どもたちの意識も高いので、競争と、もう一度みんなで戦っていくことが確立できれば面白いチームになっていくと思います」と小泉監督が期待する伝統校・韮崎が、「三度目の正直」で選手権予選優勝を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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