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2発で東福岡の連覇止めた飯塚FW高尾流星、悔し涙とエース番号「13番」の責任感を力に

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福岡の新王者、飯塚高のエースFW高尾流星

 悔し涙を歓喜へと変える。インターハイ福岡県代表校・飯塚高のエースFW高尾流星(3年=ヴェントノーバFC出身)は、福岡県1部リーグ・アビスパ福岡U-18B戦(17日)の後半開始から出場。競りながらでも足を触れる部分や力強い抜け出しを見せる一方、怪我からの復帰直後でまだまだ身体が動かず、中辻喜敬監督から守備面で厳しい言葉を受けていた。

 今年、踵や恥骨を痛めて離脱している高尾は、インターハイ予選後に休養。復帰した前節、そして今節と得点を奪うことができず、飯塚は白星を勝ち取ることができていない。高尾はチームを勝たせられなかったことを悔しがり、試合後、目に涙を滲ませていた。

 怪我を言い訳にするつもりはない。中辻監督の指摘も頭では理解できているが、できない自分に苛立ってしまい、メンタル面から崩れてしまっている状況だ。「そこでメンタルが保てれば良いんですけれども……課題です」。涙を流すことは「元々泣き虫」という高尾にはよくあることのようだが、今回もその悔しさを力にするだけ。「飯塚の(エース番号である)13番着ている以上、チームを勝たせないといけないと思う。自分の調子が良くてもチームを勝たなければ意味がない。チームを勝たせられるような選手になりたい」

 インターハイ福岡県予選は初戦を欠場したものの、準々決勝の希望が丘高戦で決勝点。そして、9連覇を狙った東福岡高戦では2得点を奪って2-0の勝利へ導き、高校サッカーファン・関係者を驚かせた。

 決勝で無得点に終わったため、予選の結果に満足はしていない。それでも、強烈なミドル弾や高校進学後に成長した動き出し、1対1からシュート、ヘディング弾など多彩な得点パターンを持つ高尾はインターハイでも注目FWの一人。全国でも通用・活躍できる「自信はあります」と力を込めた。

「福岡はレベル高いと思いますし、その中で優勝したことは凄いと思います。全国出ても自分の力は普通に通用すると思うので、しっかりとコンディションを上げていきたいです。まずは自分の得点感覚、それを一番見て欲しいです。高卒でプロに行くことしか考えていないので、それにも良い機会になると思うので頑張りたいです」。

 1年時のニューバランスチャンピオンシップ(NEW BALANCE CHAMPIONSHIP)は静岡学園高との決勝で2得点を挙げて大会MVP。当時から「プロサッカー選手になりたいです」と語っていたエースストライカーが、チームにとって初のインターハイでゴールを連発し、飯塚に多くの白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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