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「60から75パーセント」→「ほぼ万全」…完全復活への道を歩むMF三笘薫が五輪デビュー

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U-24日本代表MF三笘薫(川崎F)

 ついにピッチに戻って来た。U-24日本代表MF三笘薫(川崎F)は与えられた時間の中で、自身が果たすべき役割をこなした。

 出遅れた。所属する川崎FがAFCチャンピオンズリーグのグループリーグを戦う影響もあり、当初から事前合宿には遅れて合流する予定だった。しかし、右太ももの張りがある中、合流したことで別メニューでの調整が続いた。

 黙々とコンディションを上げてきた。22日の南アフリカ戦翌日の練習では全体練習に合流して全メニューを消化。持ち味の独特なリズムを刻むドリブルを披露するだけでなく、シュート練習で巧みにネットを揺らすなど、試合に向かう準備は整ってきていた。

 そして、25日に行われた第2節メキシコ戦で、そのときはやってくる。メキシコが退場者を出し、2-0とリードして迎えた後半35分にピッチへ。左サイドハーフの位置に入ったが、試合状況を考えると無理はしない。「相手が一人少ない状況だったし、うまく時間を作ることや、守備でやらせないところを意識した」。仕掛ける場面は限られ、後半40分には直接FKを沈められて1点差に詰め寄られたものの、2-1のまま試合終了のホイッスルを聞き、逃げ切りに貢献した。

 20日の取材対応では、自身の状態を「パーセンテージでいうと60から75くらい」と語っていたが、メキシコ戦後には「ほぼ万全。ベストだと思っている。自分の中では90分間やれるように準備している」と100パーセントに近いことを強調した。

 中2日で迎える第3節U-24フランス代表戦では引き分け以上、敗れても1点差の敗戦ならば自力での決勝トーナメント進出が決まる。「より失点しない戦い方が大事だと思う」と答えつつ、「その上で自分の特長を出せればと思っている」と意気込む。チームから求められるタスクをこなしながら、持ち味を存分に発揮して完全復活をアピールしたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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