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独サッカー界の“五輪軽視”を現地記者が痛烈批判、メンバー数を満たせなかったのは他競技に対する侮辱

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 ドイツの五輪代表は28日、グループステージ最終節コートジボワール戦を1—1で引き分け、大会敗退が決定。ドイツ誌『キッカー』の記者はこの結果を受け、同国のサッカー界の五輪の扱いを痛烈に批判した。

『キッカー』は29日付紙面でミヒャエル・プファイファー記者によるコラムを掲載。「ドイツサッカーは五輪で恥じるべき不名誉を被った」と題した文章で、記者は5年前のリオデジャネイロ・オリンピックで銀メダルを獲得したことを引き合いに出し、当時示されたはずの「オリンピックがどれほどの魅力を放ち、参加者にとってどれほどの価値があり、貴重な経験となり得るか、五輪サッカーがドイツでどれほどの注目を集め、喜びを呼び起こしたのか」の記憶がすべて忘れられたことを非難した。

 また、登録メンバー数が18人から22人に拡大されたものの、結局GK3人+フィールドプレーヤー15人と18人のスカッドを大会に送り込んだドイツについて、次のように続けている。

「このような大イベントでドイツの国を代表したい選手、それを許される選手が22人集まらないのはこの国のイメージダウンにつながりかねない。サウジアラビア戦で、控えGKのスベンド・ブローダーセンが念のためにフィールドプレーヤーのユニフォームを着用したとき、そのサイドラインの珍しい光景に微笑んだ人もいるかもしれない。だが、当惑した様子で首を傾げる方が適していただろう」

「サッカーでは登録数すら満たせず、フルスカッドとならなかったのは、恥じるべき不名誉。そして、最大限の努力を注ぎ込み、予選でほんの数ミリ、ほんの一瞬の差で出場を逃してしまったアスリートたちに対する侮辱でもある」

 記者は「ほかの大会が重視されるサッカー界にとって、ほかの競技と比べて、もちろんオリンピックの位置付けは決して高くない」と認めつつ、DFBが今夏の2020ユーロ(EURO)に臨んだドイツ代表の選手を五輪代表に呼ばないことを予めに公言する判断は「自問自答するべき」と要求。「(ヨアヒム)レーヴが最後に選出したチームでも、例えばスペイン(A代表)の主力メンバーながらオリンピックで自国を代表するダニ・オルモ、ぺドリ、ウナイ・シモンほど負担を負っていない選手を必ず見つけられたはずだ」と指摘した。

 なお、記者はオリンピック精神に値したと考える点にも言及。「ドイツのチームはすべての試合で諦めないメンタルと闘争心を示し、様々な課題を抱えながらも早期敗退を避けようと戦っていた。少なくともその点においてはオリンピックにふさわしかっただろう」と締めくくっている。

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