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前回準優勝、今回は昌平撃破。2年連続でインパクト残した武蔵越生は後輩に諦めない気持ち伝え、全国の夢託す:埼玉

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堅守・武蔵越生高の中心として奮闘した186cmCB波田優斗主将

[10.31 選手権埼玉県予選準々決勝 武蔵越生高 1-2 西武台高]

 前回大会は準決勝で西武台高をPK戦で下すなど、初の決勝進出。今大会は初戦で伝統校の市立浦和高を2-0で下すと、続く大宮南高戦を3-0で制し、3回戦では2年連続全国8強の昌平高相手に1-0で殊勲の白星をもぎ取った。

 前回大会決勝のリベンジ、そして全国を驚かせる1勝を果たした武蔵越生高はこの日、準決勝進出を掛けて西武台と対戦した。井上精二監督から「相手の力強いプレーに逃げないということと、自分のマークの責任を持とう」などの指示を受けてピッチに立った選手たちは186cmCB波田優斗主将(3年)や183cmGK関根拓郎(2年)中心に相手のパワフルな攻撃を跳ね返し、カウンター攻撃を試みた。

 前半26分に今大会初失点を喫したものの、40+1分にFW石本浩大(3年)とのコンビネーションからFW伊藤稜賀(3年)が同点ゴール。前回大会準決勝で西武台に追いつき、PK戦で勝利している武蔵越生はこの日も自信を持って戦っていた。

 ただし、後半21分に相手CKをクリアしきれずに繋がれて失点。その後、選手交代などで活性化しようとしたものの、西武台の守りは堅く、1-2で敗れた。波田はチャレンジアンドカバーや競り合いで奮闘。だが、「最後まで集中切らさないというところで付け込まれたかなと思います。最後の最後というところは気が抜けていたというか、できていなかったと思います。気迫に負けていたというところもあったと思います。今まで無失点で来ていて、今日2失点したことは悔しいですね」と唇を噛んでいた。

 それでも、複数の年代別日本代表選手を擁した昌平を破って8強入り。波田は「去年勝てなかった相手に今年勝てたことは良いと思いますし、(3回戦まで)無失点で来れたのは良かったと思います」と頷く。今後はリーグ戦など残りの日々で後輩たちに伝えられることをすべて伝えて卒業する。

「諦めない気持ちは他のチームよりもあると思っているので、そこは後輩たちにしっかりと残していきたい。後輩たちは自分たちよりも技術も高くて、粘っこさもあると思うので、次は優勝できると思います」とエールを送った。

 井上監督は「守備の部分ではある程度成果を出すことができましたが、攻撃の部分については、個の成長というところが不可欠になってくると思いますので、来年へ向けた課題にしていきたいと思っています」と語っていた。1、2年生たちは先輩たちの諦めない気持ちを受け継ぎ、より個を成長させて1年後、初優勝に再挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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