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2連勝の鹿島・オリヴェイラ監督「ここで満足してはいけない」王者に死角なし

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[3・16 J1第2節 東京V 0-2 鹿島 味スタ]
 鹿島が盤石の試合運びで連勝スタートを切った。0-0の膠着状態が続いたが、後半29分、41分とFWマルキーニョス(31)が2得点。2-0の快勝で、2戦連続完封勝利を飾り、首位を守った。
 王者の風格さえ、漂っている。9日のJ1開幕戦で札幌に4-0で圧勝。12日にはACLグループリーグでクルンタイバンク(タイ)に9-1で大勝した。タイへの遠征も含めた連戦で疲労は他のどのチームよりも多いはずだが、”省エネサッカー”で公式戦3連勝を記録した。
 DF内田篤人(19)は「日程的にもきついし、最近は前半から上がるのはやめようかなと思っている。後半に狙うところを狙って」と話す。無理にリスクを冒して攻めることは避け、ここぞという場面で一気呵成に出る。1-0の後半41分には、言葉通りカウンターから内田が前線まで飛び出し、マルキーニョスの追加点をアシストした。DF岩政大樹(26)は「こういう展開でも勝てると思ってやっている」と話し、内田も「負ける気はしなかった」と言い切った。相手の攻撃を辛抱強く耐え、カウンターから2得点。試合の流れを読み切ったゲームプランで白星を積み上げた。
 開幕2連敗を喫した浦和のオジェック監督が解任されるなど、優勝候補に挙げられた他チームは苦戦を強いられている。鹿島の強さばかりが目立つリーグ序盤だが、監督にも選手にも気の緩みはない。MF本山雅志(28)が「去年は僕らが開幕5試合勝ちがないところから優勝した」と話したように、昨季は鹿島が開幕5戦未勝利(3分2敗)と出遅れながら、リーグ終盤の9連勝などで劇的な逆転優勝を飾った。
 スタートダッシュは大事だが、長丁場のリーグ戦で巻き返しが可能なことは自分たち自身の経験で分かっている。オズワルド・オリヴェイラ監督(57)も「シーズン全体を考えれば、去年我々の戦術が浸透するまでに時間がかかったように他のチームもシーズンを通して良くなっていく可能性はある。我々はここで満足してはいけない」と手綱を引き締めた。王者に死角は見当たらない。

(取材・文 西山紘平) 

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