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清水内定、早稲田大FW加藤拓己「王国復活の力になりたい」リハビリも順調「近いうちに元気な姿を」

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 来季より清水エスパルスに入団するFW加藤拓己(4年=山梨学院高)は「一番結果が見やすいポジション。点数を取らないとドロップアウトされる。どんな形でも点が取れるストライカーになっていきたい」と決意を新たにした。

 愛称は『ゴリ』。武道家のような屈強な身体に厳つい風貌で、一見近寄りがたくも見える。ただそんなことはない。何よりおしゃべり好きで、話を始めたら止まらない。外池大亮監督も「キャラクターがなせる業。応援される存在になることはファーストステップとしてはとても大事なこと。そういう面に関しては先天的に身に着けている」と感心する性格の持ち主。それが加藤拓己という男だ。

 山梨学院高を主将として高校時代から注目を集めた加藤だが、早稲田大学入学後は怪我に苦しんだ。スポーツ推薦での入学だったが、手首や足首の負傷で正式入部が叶わず、練習生として1年以上を過ごした。

 しかし2年生の5月に正式に入部を果たすと、すぐに結果を残した。実質1年目となった19シーズンはリーグ戦で14試合に出場して7得点。20シーズンはリーグ3位の10得点を決めて、11月に早くも清水への入団内定を発表。最終学年の今季も前期リーグで全試合に出場してチームをけん引していた。

 そんな中で7月上旬、またしても加藤を試練が襲う。大学での練習中に左膝前十字靭帯を断裂。全治6か月という診断は、今シーズンの終了を意味していた。もう大学でサッカーができない。怪我をした瞬間は4年生としての重圧から解放されたと感じたこともあったというが、もうこの仲間とサッカーができない悲しみも同時に湧き上がってきたという。

「怪我がなければ、まだ甘い気持ちでサッカーをやったと思います。怪我をしたことで仲間の大切さを感じることができた。プロを諦めた仲間が何人もいるので、その人たちの想いを背負ってやらないといけないと思います」

 怪我は順調な回復をみせている。今月20日に受けた診察でも、「順調。予定よりも筋力数値が良かった」という。「本来であれば始動のタイミングでトレーニングに参加する予定でいたけど、キャリアを長く見ていくと今は焦る時期じゃないとクラブにも見ていただいている。もちろん早くなる可能性もあるけど、これからはこの身体で稼いでいかないといけないので軽い気持ちで扱えない。でも近いうちに元気な姿をみせられればと思います」。

 1年目の目標は明確には決めていない。外池監督が言う「常に謙虚に」という言葉をこれからも実践していきたいからだ。外池監督も「1年生で部員になれない時期もあったが、トータル4年間としてはいい時間を過ごしたと思います」と自信を持って送り出す。「王国復活に向けて、少しでも力になりたい。ストライカーは外国籍選手が多いけど、年齢も国籍も関係ない。どんな形でも、骨が折れようが点数を取れる選手になっていきたい」と意気込む武闘派ストライカーも、堂々とプロの世界に足を踏み入れる。

(取材・文 児玉幸洋)
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