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シュート1本で決勝点、柳沢チャンス逃さず(川崎Fvs京都)

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[4・5 J1第5節 川崎F 0-1 京都 等々力]

 京都のFW柳沢敦(30)が3試合ぶりゴールでチームに3試合ぶりの勝利をもたらした。今季初先発のFW田原豊(25)と2トップを組んだ柳沢は、多くの時間を相手に支配される苦しい試合の中、前線を動き回り奮闘。サイドに張り出して攻撃のポイントとなったほか、相手DF裏のスペースを狙って何度も鋭い飛び出しを見せた。追いつけないようなボールも懸命に追い続け、GKと接触するような場面もあった。
 チームはチャンスらしいチャンスをなかなか作れず、シュートを1本も打てないまま後半25分が経過。それでも、同28分に訪れた決定機を逃さなかった。途中出場のMF中山博貴(22)のラストパスに反応すると相手DFと競りながら左足で先制ゴール。加藤久監督が「ああいう難しいシュートを決めるところはさすが」と絶賛したゴールは視察に訪れていた日本代表大木武コーチにもアピールする貴重な一撃。柳沢は「突然(チャンスが来た)という感じではなかった。準備はしていた。勝つことができてよかった」と振り返った。
 これでチームは2勝2分1敗。再び白星が先行した。J1昇格組にとっては1点を争う厳しい試合が続くが、チームの中で柳沢が果たしている役割は大きいと加藤監督は言う。「練習で足の1回の振り上げも含めて手を抜かない。チームにいい影響を与えている。いい状態でやってくれている」。ベテランFWはその姿勢でチームを引っ張っている。
 好調が続くチームだが柳沢本人は、この成績にまだ満足している訳ではない。「今のところいいスタート切れていることはよかった。みんなと続けていきたい」。さらなる躍進へ、王者・鹿島で何度も勝利を味わってきた男の視線はまだずっと先を見つめている。

(取材・文 吉田太郎)

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