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10人の間に失点、PK失敗とF東京は不運な敗戦、名古屋は4戦ぶり勝利(F東京vs名古屋)

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[5.6 J1第11節 F東京0-1名古屋 味スタ]

 2連勝で2位に浮上したFC東京と、3連敗で一時の首位から3位にまで転落した名古屋グランパスの一戦は、前半17分に名古屋のFW杉本恵太(25)が先制点。そのまま1-0で逃げ切った名古屋が連敗を3で止めた。

 毎試合メンバーを変えるF東京は4-4-2を採用。GK塩田仁史に4バックは右から徳永悠平、佐原秀樹、藤山竜仁、長友佑都と並び、ダブルボランチが今野泰幸と金沢浄。中盤右サイドに栗澤僚一が入り、左サイドでは羽生直剛が左ふくらはぎ痛から4月12日の東京V戦以来、5試合ぶりに復帰した。2トップは赤嶺真吾とカボレのコンビだった。
 3連敗中の名古屋もメンバー、システムを変更した。これまでの4-4-2ではなく4-2-3-1を敷き、DFラインはバヤリッツァが右サイドバックに入り、吉田麻也と増川隆洋がセンターバック、阿部翔平が左サイドバック。中盤は中村直志と吉村圭司のダブルボランチで、その前に右からスピードのある杉本恵太、マギヌン、小川佳純と並び、前線にヨンセンが張った。

 立ち上がりはホームのF東京が積極的に攻撃を仕掛けた。前半9分には今野のパスを受けたカボレがボールを浮かしてDFをかわし、右足ボレーでミドルシュート。ゴール上に外れたが、パスをつないでゴール前に迫る攻撃にはリズムがあった。
 しかし、思わぬアクシデントが失点につながった。前半13分に長友が杉本と交錯した際に右腕を負傷。ピッチの外で治療を受けるため、F東京は10人での戦いを余儀なくされた。そして1人少ない状況のままだった前半17分、小川のスルーパスから杉本がゴール前に飛び出し、左足でゴール右に流し込んで名古屋が先制点。失点直後に長友は右腕にテーピングを巻いてピッチに戻ったが、不運な失点だった。
 同点ゴールを狙って反撃するF東京だが、徐々に名古屋のプレッシャーの網にかかり、なかなかボールをゴール前まで運べなくなる。危険な位置でボールを奪われ、カウンターを受ける場面も増え始めた。
 名古屋も何度かチャンスになりかけたが、カウンターから中村のヨンセンへのスルーパスがオフサイドになるなどラストパスが微妙に合わず、追加点を取るまでには至らなかった。

 後半に入っても名古屋のコンパクトな守備は崩れず、体を張ったプレスでF東京の反撃をおさえる。F東京も後半開始からMF大竹洋平、同15分からFW近藤祐介を投入してゴールを狙うが、名古屋の組織的な守備の前に攻めあぐねた。逆に名古屋の杉本やマギヌンを生かしたシンプルな速攻に苦しめられた。
 両サイドバックの徳永、長友も積極的にオーバーラップし圧力をかけるF東京に対し、名古屋は後半24分に杉本を下げてDF米山篤志をボランチの位置に入れ、中盤の人数を増やして対応した。
 それでもF東京は後半34分、スルーパスに反応したカボレがPA内に進入。飛び出してきたGK楢崎と交錯し、これがPKの判定となった。絶好の同点機にPKスポットに立ったのは近藤。しかし、勢いよく右足を振り抜いたキックはクロスバーを直撃。まさかのPK失敗で同点のチャンスを逃した。
 ストイコビッチ監督は後半40分、マギヌンに代えてDF竹内彬を投入。竹内が右サイドバックに入り、バヤリッツァがセンターバックに移って5バックに移行。5-4-1の守備固めという結果にこだわった采配で、そのまま1-0で逃げ切り、4月19日の千葉戦以来、4試合ぶりの勝利を飾った。

(取材・文 西山紘平)

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