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[JOMOCUP]初の"日韓戦"はK-ALLSTARSが3-1で快勝、MVPはチェ・ソングッ

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[8.2 JOMO CUP2008 J-ALLSTARS1-3K-ALLSTARS 国立]

 JOMO CUP2008が2日、東京・国立競技場で開催され、Jリーグ選抜のJ-ALLSTARSとKリーグ選抜のK-ALLSTARSが対戦した。K-ALLSTARSは前半37分にMFチェ・ソングッ(城南)が先制ゴールを決めると、後半12、15分とFWエドゥー(水原)が2得点。J-ALLSTARSは後半22分にDF田中マルクス闘莉王(浦和)が1点を返すのが精一杯で、昨年までのJクラブの東西対抗戦から大会方式が変更された初めての“日韓戦”はK-ALLSTARSが3-1で快勝した。

 オズワルド・オリヴェイラ監督(鹿島)が率いるJ-ALLSTARSは4-4-2のシステムを採用。前日練習通りのメンバーで、GK楢崎正剛(名古屋)に、4バックが右から駒野友一(磐田)、中澤佑二(横浜FM)、田中マルクス闘莉王(浦和)、新井場徹(鹿島)。中盤は金南一(神戸)と小笠原満男(鹿島)のダブルボランチ、右サイドに中村憲剛(川崎F)、左サイドに山瀬功治(横浜FM) が入り、ヨンセン(名古屋)と鄭大世(川崎F)が2トップを組んだ。
 チャ・ボングン監督(水原)が指揮するK-ALLSTARSも4-4-2の布陣。ラドンチッチ(仁川)とドゥドゥ(城南)の外国人FWが2トップを組み、韓国代表MFチェ・ソングッ(城南)は左MFに入った。ゴールを守るのは主将で韓国を代表する名GKのイ・ウンジェ(水原)だった。

 試合は立ち上がりからJ-ALLSTARSが優勢に進めた。その中心になっていたのが小笠原―新井場の“鹿島ホットライン”だった。前半6分、左サイドをオーバーラップした新井場が小笠原からのサイドチェンジを受けると、絶妙なトラップからライン際を突破。PA内の山瀬につなぎ、最後は鄭がシュートを狙ったが、DFが体で防いだ。
 前半8分にも小笠原のフィードから新井場が左サイドを駆け上がり、パスを受けた中村がシュート、そのこぼれ球を小笠原と立て続けにゴールを襲ったが、いずれも体を張ったDFに阻まれた。
 前半16分、中村が右足で強烈なミドルシュートを放つが、GKイ・ウンジェが好セーブ。すると、K-ALLSTARSもようやく反撃を仕掛け、前半17分、チェ・ソングッがPA内でDFをかわし右足で狙ったが、新井場がゴールライン上でクリアし、絶好のチャンスを逃した。
 前半23分の金、山瀬、同26分の中村と遠めからでも積極的にミドルシュートを打つJ-ALLSTARSだが、なかなかゴールの枠を捉えきれない。K-ALLSTARSも前半24分、ラドンチッチがドリブルでPA内に切れ込み、ドゥドゥにラストパスを送るが、左足のシュートはゴールを大きく外れた。
 J-ALLSTARSは鄭が再三シュートを放つなど圧倒的に攻め込む時間が多かったが、決定力を欠いてゴールを決めきれず、逆に一発のセットプレーで先制を許してしまう。
 前半37分、K-ALLSTARSは右45度の位置で得たFKのチャンスにドゥドゥが左足直接狙うと、楢崎がはじいたボールがクロスバーに当たってはね返り、ゴール前につめていたチェ・ソングッが右足で押し込んだ。
 結局、劣勢だったK-ALLSTARSが少ないチャンスをものにし、1-0とリードして前半を折り返した。

 後半開始20秒、J-ALLSTARSがいきなりチャンスをつかむ。左サイドからドリブルで切れ込んだ山瀬がPA内で倒され、PKを獲得。このPKを山瀬が自ら右足でゴール左を狙ったが、GKイ・ウンジェが横っ飛びではじき出し、絶好の同点機を逃してしまう。
 これで流れがK-ALLSTARSに移ったか。後半11分のイ・グァンウの直接FKは楢崎が好反応でCKに逃れたが、このCKで中澤がPA内でラドンチッチを倒してしまい、PKを献上。これを後半から出場のFWエドゥー(水原)が左足で冷静にゴール右に流し込んだ。
 さらに後半15分、チェ・ソングッがドリブルで持ち込み、PA内左サイドでフリーのエドゥーにパスを送り、エドゥーがループシュートで追加点。あっという間に3-0とリードを広げた。
 J-ALLSTARSは直後の後半15分、山瀬を下げてMF金崎夢生(大分)を投入。同20分には金に代わってMF阿部勇樹(浦和)が入った。
 後半22分、右サイドで得たFKのチャンス。小笠原はクロスを上げると見せかけてPA内の闘莉王に横パスを送る頭脳プレーで相手の裏を突くと、フリーの闘莉王が右足で落ち着いてゴール左隅に決め、J-ALLSTARSがようやく1点を返した。
 後半24分、中澤がDF岩政大樹(鹿島)に交代すると、同27分には鄭に代えてFW巻誠一郎(千葉)を投入。さらに同30分、小笠原を下げてMF二川孝広(G大阪)、同34分には駒野がMF今野泰幸(F東京)に代わった。
 ほとんど一緒に練習していないメンバー構成となり、攻撃に連動性を欠いてしまったJ-ALLSTARS。後半43分にはゴール前に上がった闘莉王が右足で豪快なボレーシュートを放つなど最後までゴールを狙ったが、試合はそのまま1-3で終了。MVPには、先制点を決めるなど1得点1アシストの活躍だったK-ALLSTARSのチェ・ソングッが選ばれた。敢闘賞は、意地の1点を決めたJ-ALLSTARSの闘莉王が受賞した。

(取材・文 西山紘平)

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