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"ACLショック"を払拭!誕生日弾の鹿島・青木「Jで優勝してまたACLに行く」

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[9.28 J1第27節 鹿島2-0清水 カシマ]

 鹿島アントラーズが“ACLショック”を払拭した。前線からの激しいプレスと出足の早いチェックで清水の攻撃を分断。球際の激しさ、気持ちの面でも圧倒し、2-0のスコア以上の完勝だった。前半20分、この日が26歳の誕生日だったMF青木剛が豪快な右足ミドルを叩き込み先制。同41分にもFWマルキーニョスが6戦連発となるゴールで追加点を挙げ、後半も相手の反撃をシュート2本に抑え込んだ。

 オーストラリア帰りで中3日という過密日程の影響を感じさせなった。24日のACL準々決勝第2戦に0-1で敗れ、アジア制覇の夢は断たれた。FW興梠慎三は「結構落ち込んだけど、切り替えないといけないし、疲れとか言ってられない状況だった」と言った。Jリーグを連覇し、来年もう一度、ACLに挑戦する。敗退のショック以上に、そのモチベーションの方が高かった。青木は「ACLで負けた悔しさはみんなあるし、Jリーグで優勝してまたACLの舞台に挑戦したいとみんなが思っている。日程とか関係なく、勝つために何をするか。みんな走り回って、ハードワークしていたと思うし、それが結果につながったと思う」と胸を張った。

 MF小笠原満男を欠いたボランチも、青木とMF中後雅喜のコンビが穴を埋めた。球際で激しくプレーし、中盤で何度となくボールを奪った。ボールを持てばシンプルにはたき、攻撃にリズムを生む。DF内田篤人は「中後さんはサイドチェンジとかボールをきれいに出せるし、球際も頑張ってくれる。中後さんには中後さんの良さがあるし、チーム力が落ちたとは思わない」と力を込めた。青木も「(小笠原)満男さんのケガがあって、自分も多少プレーをレベルアップしないといけないし、プレーの幅を広げたいと思っていた。守備は前提としてしっかりやった上で、攻撃でも貢献できればと。その中で得点を決められたのはよかった」と笑みを浮かべた。ACL敗退が逆にモチベーションとなり、小笠原の負傷離脱が選手個々の意識を高めた。気持ちのこもったプレーも随所に見られ、鹿島のメンタルの強さが際立った試合だった。

 前節終了時点で首位だった大分との勝ち点差は2。優勝戦線に踏みとどまる意味でも貴重な勝ち点3になった。残り8試合。昨季はラスト9試合を9連勝で締めくくり、大逆転優勝を果たした。「去年、9連勝でやってきたことを今日のゲームでちょっと思い出せた。勝ち方というか、手応えを得られた」と青木。小笠原の負傷、ACL敗退というダブルショックを乗り越え、鹿島がまた新たな強さを手にした。

(取材・文 西山紘平)

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