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[ナビスコ杯]“U-19招集問題”も力に!ニューヒーロー賞・金崎が2アシスト

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[11.1 ナビスコ杯決勝 大分2-0清水 国立]

 ナビスコ杯のニューヒーロー賞に選出されていた大分トリニータMF金崎夢生が、決勝でも輝いた。トップ下のポジションで先発した19歳は、前半から強烈な右足ミドルでゴールを襲うなど初Vを狙うチームを牽引。抜群の技術で相手DFを振り払い、チャンスへと結びつけていた。
 そして、0-0で迎えた後半23分、金崎は「前半からチャンスを作れていた」という右サイドのスペースへ走りこむ。そこに完璧なタイミングでMFエジミウソンがスルーパスを送ると、フリーの金崎はゴール前へやや高めのクロスボール。これをファーサイドのFW高松大樹が頭で叩き込み、貴重な先制ゴールなった。
 千金弾を生み出した金崎は後半44分にも右サイドからのラストパスでFWウェズレイのダメ押しゴールをアシスト。滝川二高(兵庫)時代に高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権優勝を経験している金崎だが、プロ入り後初めてのタイトル獲得となった。
 
 初VをもたらしたMFは、もしかしたら決勝の舞台にいなかったかもしれない。金崎は31日に開幕したAFC U-19選手権(サウジアラビア)に出場しているU-19日本代表の主力選手でもある。来年のU-20W杯出場をかけた大一番に臨むU-19代表にとって金崎は手放したくない選手だった。だが、クラブにとっての初タイトルもかかっていた。議論を巻き起こした招集問題は結局、AFC U-19選手権出場回避という結果でまとまった。
 だからこそU-19代表のためにも、大分で結果を残さなければ、勝たなければならないと考えていた。その強い思いを持って臨んだ一戦で2アシスト。プレッシャーの中で相手との違いを作り出し、勝利をもたらした。金崎は「(勝つか負けるか)どうなるか分からなかったが、勝つことができた」とホッとした表情。そして「U-19はチェックしているんで、頑張って欲しい」と遠くサウジアラビアで戦う仲間たちにエールを送った。

 自分自身は大分で頑張るだけ。リーグ戦は首位・鹿島と勝ち点3差の4位で優勝の可能性を十分に残す。金崎は「(ナビスコ杯優勝で)ひとつの形となった。でもこれで終わりじゃない。まだリーグ戦もあるし、トリニータらしさを出していきたい」と新たな目標へ視線を向けていた。

<写真>試合終了後、シャムスカ監督と抱き合った金崎夢生

(取材・文 吉田太郎)

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