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[天皇杯]大学生に薄氷の勝利、鹿島・曽ヶ端「相手を見習う」

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[11.2 天皇杯4回戦 鹿島2-2(PK3-0)国士舘大 カシマ]

 九死に一生を得た。前回王者が薄氷の初戦突破だ。鹿島アントラーズは天皇杯初戦となる4回戦で国士舘大と対戦。2度リードを許す苦しい展開の中、セットプレーとPKでかろうじて2-2の同点に追いついてPK戦に持ち込んだ。120分間の戦いを終えた時点で、もしもサッカーに判定があるなら明らかに鹿島の“判定負け”だった。PK戦ではGK曽ヶ端準が相手の1~3人目のキックをすべてセーブ。3-0で5回戦進出を決めたが、試合後の選手の表情は敗者のそれだった。

 曽ヶ端は「気持ちの面で向こうの方が気迫があった。見習うぐらいじゃないと、Jリーグでもこの先、痛い目に遭う。いい教訓になったというか」と振り返った。前線から激しいプレッシャーをかけてきた国士舘を攻めあぐねた。球際の強さでも、運動量でも負けていた。相手をなめていたわけではないだろう。しかし、心のどこかで普通にやれば勝てるだろうという油断や、こんな試合でケガはしたくないという甘えがあったのではないか。守護神は「番狂わせが数多く起こっている大会というのはみんな分かっていたけど、相手はそれ以上の気迫で来ていたし、そのへんの差がこういう結果につながった」と唇をかんだ。

 15日の5回戦では5日に行われる清水対千葉の勝者と対戦する。DF岩政大樹は「きょうの収穫はひとつだけ。勝ち上がったということ。トーナメントでは苦しんだ後の方がスムーズに勝ち上がることも多い」と自分に言い聞かせるように話した。まさかの大苦戦を良薬に、連覇への道を進んでいくしかない。

<写真>国士舘大の粘り強い戦い振りに鹿島は苦戦を強いられた
(取材・文 西山紘平)

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