beacon

気持ちで戦った柏、ホームで5か月ぶりの勝利!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.8 J1第31節 柏2-1名古屋 柏]

 柏レイソルが7月17日以来、約5か月ぶりとなるホームでの勝利を、サポーターにプレゼントした。
 「気持ちを全面的に出してキックオフから行こう」。試合前、石崎信弘監督は選手たちと誓いを立てた。柏は試合開始から前線のFWフランサ、FW菅沼実、MFアレックスらを筆頭に、運動量豊富な右サイドのMF太田圭輔を絡めた攻撃で名古屋を攻め立て、序盤から積極的にシュートを見せた。しかし柏は前半32分、小川佳純のゴールで先制されてしまう。それでもチームは慌てず冷静に戦い続けた。「ハーフタイムでも選手は沈んでいなかった。後半もう一度気持ちを切り換えていこうと送り出した」。指揮官は勝つことだけを信じ、同時にピッチに立つ選手たちを信じ続けた。後半、フランサに替えポポを投入すると、攻撃にバリエーションが増えチャンスが膨らんだ。「ポポが入っていい形になった。全体として前がかりになれたし…」。DF大谷秀和がそう振り返ったように柏は後半リズムを掴んだものの、増川隆洋や吉田麻也ら名古屋DFの堅い守備の前になかなか得点には結び付けられないもどかしい時間が続いた。しかし柏は、諦めない気持ちで得点に結びつけた。後半34分、アレックスの右CKをDF村上佑介がゴール左隅狙いでヘディングすると、ゴール左前にいた菅沼が頭でねじ込んだ。その2分後、大谷がDF2人の裏をかきPAに見事なスルーパスを送ると、走りこんだポポが落ち着いて鋭いシュートを蹴り込み、僅か2分で逆転に成功した。
 先制点を決めた菅沼は「(村上からのヘディングが)自分の頭に当たったとき入ったと思った。その後も、追加点のことしか頭になかった」と語り、スタジアムを引き上げるまで「勝てて良かった、本当に良かった」と勝利を噛み締めるように繰り返した。逆転弾を決めたポポも「勝たないといけないこの試合で、チームのために決勝点を決められて嬉しい」と喜びを露わにした。菅沼の活躍は素晴らしかったですね、そうと石崎監督に話をふると、「そうだね。でもまだまだだよ。(名古屋の)小川くらい速くて良いプレーをしてくれれば良いんだけどね…」と、照れながら嬉しそうに話した。チームを信じ気持ちを前面に出したことで掴んだ今季初の逆転勝利だけに、このゲームから得た自信は大きい。2点目をアシストした大谷は「長いこと(ホームで)勝てていなかったので、逆転勝利だし最高ですね。あと3試合、サポーターが納得してくれるようなゲームを見せていきたい」と笑顔を作り、誇らしげにスタジアムを後にした。

(取材・文 山口雄人)

TOP