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川崎F勝利も2位、17位転落の東京VがJ2降格決定!

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[12.6 J1第34節 東京V 0-2 川崎F 味スタ]

 逆転Vを狙った3位・川崎フロンターレとJ1・J2入れ替え戦圏16位の東京ヴェルディとの一戦は、川崎Fが2-0で勝った。だが、首位・鹿島が札幌に勝ったため川崎Fは2位に終わった。一方、敗れた東京Vは勝ち点37から上積みできず。同勝ち点の磐田を得失点差で上回ることもできなかった。加えて17位の千葉がF東京に勝ち、勝ち点を38へ伸ばしたため、17位へ転落。J2自動降格が決まった。

 フォーメーションはともに4-3-3。勝てば自力でのJ1残留が決まる東京Vは、GKが土肥洋一、4バックは右から富澤清太郎、土屋征夫、那須大亮、和田拓三。MF菅原智が中盤の底の位置に入り、その前に福西崇史と柴崎晃誠が並んだ。そして平本一樹、大黒将志、飯尾一慶が3トップを努めた。
 一方、首位・鹿島を勝ち点3差で追う川崎FはGK川島永嗣、4バックが森勇介、井川祐輔、寺田周平、伊藤宏樹。菊地光将と中村憲剛が中盤の底の位置に入り、トップ下が谷口博之。3トップはレナチーニョ、鄭大世、ジュニーニョが並んだ。
 
 試合は開始から攻める川崎F、守る東京Vの様相に。J1最多得点を誇る川崎Fは前半わずか40秒、レナチーニョの強烈なミドルシュートがゴールを襲い、直後にはオフサイドとなったが、決定的な形でゴール前のジュニーニョへとボールが入った。さらに6分にも谷口のシュートがゴールをかすめる。加えてサイドからのクロスボール、そしてセットプレーからのクロスがゴール前に何度も放り込まれた。だが、ピンチを凌いだ東京Vは徐々に試合を落ち着かせていく。押し込まれても慌てずにPA付近で攻撃を跳ね返し、大黒、飯尾らの前線からの献身的な守備が川崎Fの攻撃のリズムを崩していった。
 川崎Fは23分に中村の左CKから菊地、ジュニーニョと決定的なシュートを放つが得点に結びつけることができない。だが26分、試合を左右する大きな“事件”が起こる。PA内でセットプレーからのこぼれ球をクリアしようとした東京V・福西の手が相手選手の腹部付近へ。危険な行為と判断した岡田主審は迷わずPKスポットを指差し、福西にレッドカードを提示した。東京Vは2分以上に渡って抗議したが、受け入れられず。川崎Fにとっては絶好の先制点のチャンスとなった。だがキッカーのジュニーニョが放った右足シュートは、ゴール左横へと外れ、スコアを動かすことができない。

 決定機を逃した川崎Fはその後も森の右足ミドルや左CKに飛び込んだ菊地のシュートなど10人の東京Vゴールを脅かしていく。だが、気迫のセーブを見せる東京V・GK土肥の好守に阻まれるなど0-0で前半を折り返した。優勝するためには大量得点を取っての勝利が必要な川崎Fは、後半開始から菊地に代えて攻撃的MFの大橋正博を投入。強引にゴールを奪いに行く。だが、守備的なMF菊地が下がったことでできたスペースを東京Vは見逃さない。カウンターから飯尾や、飯尾に代わって投入された廣山望がサイドをえぐって決定機を作り出す。

 大量得点が欲しい川崎FとJ1残留へ負けられない東京Vの意地がぶつかり合った後半。19分、川崎Fがついに試合を動かした。谷口からのパスで左サイドを抜け出したジュニーニョがゴール前へラストパス。これをレナチーニョがゴールへと押し込んだ。一気に畳掛けたい川崎Fは27分、大橋のスルーパスからレナチーニョが中央突破。だが、シュートは土肥の好セーブにあい、2点目が奪えない。
 勝ち点1だけでも積み重ねたい東京Vは、33分にMF河野広貴、38分にはFW船越優蔵をピッチに送り込み同点を狙った。だが、再三相手PAまでボールを運ぶものの、シュートまであと一歩というところで川崎F守備陣にストップされるという場面の連続。スタンドを沸かせる場面は作り出したが、川崎F守備陣の壁は厚く、得点できなかった。逆に後半ロスタイムに川崎F・中村に決定的な2点目のゴールを奪われた東京V。0-2で敗れ、17位へ転落、J2降格が決まった。

<写真>マイクを前に涙を流す東京V柱谷哲二監督
(取材・文 吉田太郎)

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