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まるでオールスター!J&Kリーグ入り13選手の流経大が入団報告会見

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 大学サッカー界屈指の強豪・流通経済大サッカー部が31日、東京都内のホテルで同大学からJリーグと韓国Kリーグに加入する選手の入団報告会を行った。
 
 まるでオールスターの記者会見だった。鹿島、新潟、名古屋、京都、神戸など計9クラブのユニフォームをまとった11人の選手たちが壇上にずらりと並んで会見に臨む。そして前主将で新潟へ加入した全日本大学選抜MF三門雄大が「1年目から試合に出たい」と宣言したのを皮切りに11選手が「流経大で学んだことを活かす」や「練習から120%出す」、「(Jリーグで)結果を残す」など順次J1年目のシーズンへの抱負を語っていった。
 今回流通経済大からJリーグ入りする選手は、新潟入りする三門をはじめ、DF染谷悠太(京都)、MF平木良樹(名古屋)、DF宮崎智彦(鹿島)、MF楠瀬章仁(神戸)、DF山下訓広(熊本)、DF加藤広樹(水戸)、DF保崎淳(水戸)、FW池田圭(鳥栖)、MF西弘則(熊本)、GK椎名一馬(岡山)の計11選手。また同大のDFソウ・ソクウォン(城南一和)とFWイム・サンヒョプ(全北現代)の2選手は、韓国Kリーグのクラブからドラフト指名されて入団が決まった(この日はクラブの練習のため会見不参加)。計13人が日韓のプロリーグへ進む“快挙”。会場を訪れていたJリーグ関係者も「試合に出ていない選手までJリーグにいくなんて、信じられないこと」と驚いていた。
 
 流通経済大の中野雄二監督は「(13人のプロリーグ入りは)選手の努力が一番。ただ大学からは日本中のどこより素晴らしいグラウンドや寮などの環境を用意してもらっている。その中で学生たちがサッカー選手としてはもちろん、人として成長したことが、サッカー選手として花を開かせたと思う」。13選手の「大量プロ入り」に対し、同大で4年間かけて人間的に大きくなった選手たちの成長を何より讃えていた。

 大学生活最後の大会となった全日本大学選手権準決勝(1月7日)敗退後も大学の寮に残り、ともにランニングやボールを使った練習など新しい舞台へ向けたトレーニングをしていたという選手たち。だが、それぞれ新しい所属クラブでの練習はすでにスタートしており、仲間は全員がライバルにもなった。J1王者の鹿島へ進む宮崎は「(プロに入る選手はこれからライバルとなるが)仲間の誰が試合に出てもうれしいと思う。自分は1試合でも出場してなにかしらチームに貢献すること」と目標を掲げ、名古屋入りする平木は「チーム(流経大)にはここにいる選手以外にもプロを狙える選手がいた。その環境の中で刺激しあったことが今につながったと思う。(名古屋では)ファンやサポーターに感動を与えられる選手になりたい」と意気込んだ。

 プロリーグ入りする選手13人がチームを後にすることで昨年度の関東大学リーグ優勝、全日本大学選手権4強などの実績を残したチームの戦力ダウンが危惧されるところ。だが、中野監督は「来年もJにいけそうな選手が7、8人いる」と強気の弁だ。加えて、1年生には系列校で07年度の全日本ユース選手権と全国高校選手権の2冠を獲得した流通経済大柏高の主力選手たちが多数おり、今年も昨年度の全国高校総体で優勝した同校の選手をはじめ、多くの有望株が入学する。
 今年を含めた過去5年間で30人以上のJリーガーを輩出している流経大はまさに“プロ予備軍”と化している。全国タイトルはまだ07年度の総理大臣杯全日本大学トーナメント優勝の1度のみだが、サブ組中心で臨んだ08年JFLでも6位となっている流経大の存在は今後、大学サッカー界だけでなくアマチュアサッカー界を代表するチームとして、そして優秀な育成機関としてもさらにクローズアップされていきそうだ。

<写真>入団報告会見に臨んだ流通経済大の選手たち。上段左から山下、楠瀬、染谷、三門、加藤、池田。下段左から宮崎、平木、小池田学長、中野監督、西、保崎
(取材・文 吉田太郎)

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