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大迫フィーバーにチクリ、オリヴェイラ監督「できて当たり前のこと」

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[2.21 PSM 鹿島4-0水戸 カシマ]

 鹿島アントラーズオズワルド・オリヴェイラ監督は、周囲の過熱ぶりをけん制するようにクギを刺した。試合後の記者会見では豪快なミドルシュートで2戦連発ゴールを決めたFW大迫勇也(18)に関する質問が頻発。しかし、指揮官は「練習試合で1点取っただけ。皆さんが言うほどのことはない」と突き放すように言った。「練習で普通に見せることを普通に見せただけ。このクラブでは、できて当たり前のこと。特別に何か新しいものが見えたことはない」と淡々と語った。

 報道陣やサポーターが騒ぎ立てることを嫌っているのだろう。まだ18歳の若者が、周囲からチヤホヤされ、もてはやされた結果、自分を見失い、プロ選手として大成しなかった前例は枚挙にいとまがない。その才能を高く評価しているからこそ、あえて厳しい言葉を投げかけた。

 日本代表DF内田篤人は「あそこで点を取るのは、持っているから」と言った。「もっと走ってくれればとは思うけど、どの選手でもそうだし、点を取ればいいでしょ」と、確実に結果を残す後輩を称えていた。

 「プロなんだから、1年生だからまだまだとかは関係ない。実力の世界だから、結果さえ残せば(スタメンが)代わることもある」と鈴木満強化部長も言う。内田も高卒ルーキーながら右サイドバックのレギュラーに定着し、いまや日本代表でも不動の地位を築いている。FWに求められるのは、何を置いてもゴールという結果。得点感覚という天性の才能は努力でまかなえるものではないし、逆に言えばそれ以外の技術や判断などは試合に出ることで身に付けることもできる。「きょうぐらいやれれば、(開幕戦で)ベンチ入りぐらいはあるんじゃないかな」と鈴木強化部長。G大阪や浦和といったJ1屈指の強豪相手に大迫がどんなプレーを見せられるのか。それを見てみたいのはオリヴェイラ監督も同じだろう。

(取材・文 西山紘平)

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