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[ACL]衝撃の1ゴール1アシスト!プロ初先発の大迫が鹿島の連敗止める

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[3.18 ACLグループリーグ第2節 鹿島2-0上海申花 カシマ]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグ第2節が18日、行われ、初戦の水原三星戦に1-4で敗れた鹿島アントラーズはホームに上海申花を迎えた。注目の大型ルーキーFW大迫勇也がプロ初先発を飾った試合は前半44分、大迫のアシストでMF野沢拓也が先制点。後半35分には大迫の公式戦初ゴールでリードを広げ、2-0で公式戦3試合ぶりの勝利を挙げた。

 鹿島は公式戦2連敗を喫した15日の新潟戦(1-2)から先発3人を入れ替えた。左サイドバックのDF新井場徹に代わりDFパク・チュホ、MF本山雅志に代わりMF小笠原満男、FW興梠慎三に代わり大迫が先発した。システムは4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、パク。中盤は青木剛と小笠原がダブルボランチを組み、右に野沢拓也、左にダニーロが入り、大迫と昨季MVPのマルキーニョスが2トップを組んだ。
 上海は4-5-1のシステムで、中盤を厚くした守備的な布陣だった。

 鹿島はマルキーニョスが右サイドに流れたり、中盤に引いてボールを引き出し、起点となったが、全体の運動量が上がらず、攻撃に連動性を欠いた。選手が入れ替わったためなのか、選手間の呼吸が合わない場面も見られ、パスミスが目立った。
 マルキーニョス、大迫へのマークも厳しく、なかなか攻撃の形をつくれない。前半13分、小笠原のスルーパスに大迫が抜け出したのが序盤の数少ないチャンスだったが、大迫の右足シュートはミートし切れず、ゴール右に外れた。
 無得点のまま前半終了かと思われた前半44分、大迫が大仕事をやってのけた。DFを背負った状態でくさびのパスを受けると、しっかりとボールをおさめるポストプレーから体を反転させ、後方から走り込む野沢にスルーパス。これを野沢が左足ダイレクトで流し込み、鹿島が公式戦3試合ぶりに先制ゴールを奪い、前半を折り返した。

 先制点で落ち着いたか、後半に入ると前半よりもボールが回り出した。後半7分、マルキーニョスの絶妙なスルーパスは大迫にわずかに合わなかったが、1分後、マルキーニョスのパスを受けた大迫が切り返しでDFをかわし、左足で狙うなど2トップでフィニッシュまで持ち込む場面も出始めた。
 後半12分には相手のスローインをカットしたマルキーニョスがそのまま切れ込み、ダニーロ、大迫とつなぎ、最後は野沢がシュート。決定的な場面だったが、DFも体を張ってシュートをブロックした。後半21分にはダニーロの左クロスのこぼれ球を大迫が右足ダイレクトで狙ったが、ゴール上へ大きく外れた。
 鹿島の一方的となった展開で、上海の選手はラフプレーが目立ち始め、ファウルで止める場面が頻発した。後半24分にはDFドゥ・ウェイが2枚目の警告を受け、退場。残り時間を10人で戦うことになった。
 上海のラフプレーの前に鹿島にもアクシデントが起きた。ダニーロが危険なタックルで左足を負傷。後半31分、FW田代有三への交代を余儀なくされた。大迫と田代の2トップに、マルキーニョスが中盤の左サイドに入る形に変更したが、これが“ケガの功名”となった。
 後半35分、左サイドをドリブルで突破したマルキーニョスがゴール前にマイナス気味に折り返すと、DFから消える動きでフリーになった大迫がダイレクトで左足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。
 2-0。初アシスト&初ゴールという圧巻の先発デビューを飾った大迫の活躍で鹿島が快勝。公式戦の連敗を2で止め、今季ACL初勝利を手にした。
<写真>殊勲の鹿島FW大迫(34番)にチームメイトが祝福
(取材・文 西山紘平)

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